4月30日東京･後楽園ホールで日本ヘビー級王座に挑戦する同級1位の石田順裕（39＝グリーンツダ）が19日、大阪市東成区のジムで北京五輪柔道男子100キロ超級金メダリストの総合格闘家、石井慧（28）とスパーリングを行った。ヘッドギアなしでリングに上がった石井に対し、石田も2ラウンドからヘッドギアを外して「本気モード」。ロープに押し込まれながらも再三ボディへのパンチを繰り出した。

　石井は里帰りしている妻の林明日香さん（25）の出産に立ち会うため、2月から大阪に来ている。16日に無事長男が誕生、中国の偉人の名前の文字を組み合わせ「孟沙孜（むさし）」と名付けたそうだ。「もっとパンチを鍛えたい」と大阪滞在中に石田と手合わせしており、この日で3度目。

　スパーリングは5ラウンド行われた。ジャブで距離をとろうとする石田に対して、107キロと体重が10キロ近く上回る石井は強引に突進、石田をロープに押し込んでアッパーを突き上げた。頑健な腕力で動きを止められた石田だが、なんとか押し返し、ボディのパンチを放った。フルに動いた両者は最後は息があがり気味だったが、熱気がジム中に充満した。

　石井は石田が挑戦する王者、藤本京太郎（28＝角海老宝石）ともスパーリングをしており、藤本との比較で「石田さんはパンチが速く、コンビネーションで打ってくる。藤本選手は重いパンチで、体がゴムみたいな感じがする。でもどちらが強いとは言えません」と笑顔で話した。

　石田は石井について「体のパワーがすごい。特にクリンチで組んだときは動きが取れないくらいすごい。京太郎選手は抱きかかえてくるので、石井選手とスパーリングできるのはすごくいい練習になるので、ありがたい」と感謝しきり。近くもう一度スパーリングを希望していた。

　石井は来月から拠点のオランダへ戻り、オファーがあるロシアや米国での総合格闘技に出場するかこれから決めるそうだ。また、米国でL･ヘビー級のボクサーを目指すプランもあり、「いろいろ練習して強くなりたい」と語った。