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AIBAがプロ選手の五輪開放決議、プロ側の反応は…

2016年6月2日 11時04分

 AIBA(国際ボクシング連盟)は1日、スイスのローザンヌで臨時総会を開き、リオデジャネイロ五輪にプロ選手の参加を認める改正案の決議をした。これに対し、プロ側からさまざまな反応が示されている。

 ESPNの報道によると、プロの新旧世界王者からは反対意見が続出した。「プロ選手とアマが対戦するなんてリアルに犯罪だ」(フリオ・セサール・チャベス)、「アマチュアがプロと対戦するのはフェアじゃない。アマがヘッドギアを外したのは大きなミスだ」(ラリー・ホームズ)、「この2つは違うスポーツ。バドミントン選手がテニスをするようなものだ」(カール・フランプトン)。全体的にはキャリア豊富なプロ選手と若いアマチュア選手が戦うのは危険─という意見が多い。

 そうした中で、五輪2大会連続金メダリストのワシル・ロマチェンコ(ウクライナ=写真右)のコメントがボクシングシーンに掲載されている。ロマチェンコは「ベストになりたいなら、ベストの選手と戦わなければならない」とトッププロの五輪参加を歓迎しつつ、プロがアマチュアで戦う場合のリスクにも触れた。

「いいプロの選手ならアマ選手に勝てるというわけではない。アマは3分3ラウンド、しかも5、6日間にわたって毎日試合をしなければならない。これはプロの試合とはまったく別の準備になる。そして最も大事なのは、計量が毎日あるということだ」。自らがプロ2戦目で敗れたオルランド・サリド(メキシコ)がフェザー級リミットの126ポンドから、1日で147ポンドまで増量してリングに上がった例を持ち出し「こういう真似はアマではできない」と説明した。

 日本の選手はといえば、ボクシング・ビート4月号の特集では、アマで活躍した内山高志(ワタナベ)、井岡一翔(井岡)らが反対の立場を示し、井上尚弥(大橋=写真左)だけが「出られるなら、やりたいですね」と前向きな姿勢を示した。ちなみに井上は高校生にして五輪出場まであと一歩に迫った実績を持つ。

 リオ五輪に関しては各大陸予選が終了し、残るは世界最終予選だけで全体で26人。最終予選まで時間もなく、プロ選手の五輪出場は現実的には厳しい。今のところアマを統括する日本ボクシング連盟はプロ参加に反対の立場。2020年の東京オリンピックに向けて、さまざまな意見が飛び交いそうだ。

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