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長谷川穂積「自分を過去の人なんて思わなかった」

2016年10月17日 12時01分

 ファンをハラハラ、ドキドキさせながらも最後にはルイスをギブアップさせ、ついに世界チャンピオンの座に戻った長谷川穂積(真正)。試合後は会う人ほとんどが「感動した」と言ってくれることがうれしいという。いま再び多忙をきわめる新チャンピオンが語る、ルイスとの9ラウンズ、そして5年5ヵ月の歳月――。 =ボクシング・ビート11月号より=

5回の打ち合いでルイスの癖を読む

――序盤まずは慎重な戦いでしたね。
長谷川 4ラウンドまでの採点は少し意外でした。見てる人(ジャッジ)がそう思ったからでしょうけどね。自分の中では、1ラウンドは取られたけどあとは取ってるかなと。取られてても、もう1つぐらいという感じでしたね。
――戦い方そのものは?
長谷川 まあよかったと思いますよ。脚を使って様子見ながら、ルイスの出方を探って相手の得意パンチを知ると。左のボディーストレートはルイスが背の高い選手やからね、効果的やと使いました。

――4ラウンド後の途中採点を聞いて戦い方は変えた?
長谷川 大きくは変わってませんけど、ちょっとだけアグレッシブにはなりましたね。
――そして5ラウンドにロープを背負っての打ち合いとなる。
長谷川 覚えてます。ああいう場面もあったほうがポイントも取れるかなとは思いました。

――試合前はあの打ち合いを避けるつもりだったと……。
長谷川 でもすぐにクリンチしてやめましたけどね。数秒でしたけど、相手の打ち方や癖を読んで、それがあったから9ラウンドの打ち合いは確信に変わった。……

 勝負をかけた9ラウンドの打撃戦には、長谷川のベテランらしい読みがあった。そして試合1ヵ月半前に負った左手親指の脱臼骨折を乗り越えたからこそ深まった勝利への自信。「奇跡と言われていることが信じられへん」(長谷川)という理由が明らかにされます。

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