2018年3月6日火曜日

井上尚弥が3階級制覇へ、WBA王者マクドネルに挑戦

 2階級制覇チャンピオンの井上尚弥(大橋)が5月25日、大田区総合体育館で3階級制覇をかけてWBA世界バンタム級王者ジェイミー・マクドネル(英)に挑戦することが決定。井上が6日、都内のホテルで記者会見を開いて発表した。WBO世界S・フライ級王座は返上となる。

 昨年末の防衛戦後、バンタム級への階級アップを表明していた井上(15勝13KO無敗)に早くもチャンスが到来した。「バンタム級転向一戦目でこんな大きなチャンスをもらえて満足しているし、やりがいもある」。井上はいきいきとした表情で今回の試合を大歓迎した。

 それもそのはず。14年暮れに長期政権を築いていたオマール・ナルバエス(亜)を下し、世界に衝撃を与えてから3年あまり。井上はその強さゆえに対戦相手に恵まれず、防衛テープを7まで伸ばしながらも、「勝って当たり前」の状況に飽き飽きしていたのだ。

 この状況を打開するために、大橋秀行会長がマクドネルにオファーを出したのが1月29日のこと。「マクドネルは絶対に(イギリスから)出てこないと言われた」というが、マッチルームボクシングとの交渉はトントン拍子で締結。大橋会長は「条件はいいし、敵地で井上に勝てばマクドネルの株も上がる。自信もあるみたいだし」と王者の胸中を推測した。

 対戦相手のマクドネル(29勝13KO2敗1分1無効試合)は14年5月にWBA王座を獲得し、15年には2度にわたって元WBO王者の亀田和毅(協栄)を退けて防衛を成功させている。日本でお馴染みの元S・フライ級王者リボリオ・ソリス(ベネズエラ)にも勝利。昨年11月、ソリスとのダイレクトリマッチ(バッティングで無効試合)が最新試合だ。

 井上が「正統派」と呼ぶように、178センチの長身からジャブ、ワンツーで攻撃するのがマクドネルのスタイル。10センチ以上の身長差、リーチ差はハンデになると予想されるが、井上は「隙はかなりある。ソリス戦を見ても簡単に中に入られている。タフ? ボディはだれがもらっても効きますから」と涼しい顔で言ってのけた。

 既にマクドネル戦の先も見据えており、ターゲットは上位王者となるWBAスーパー王者のライアン・バーネット。「ここでマクドネルにいい倒し方ができれば、イギリスでも盛り上がると思う。ぜひイギリスに行きたい」と敵地でのスーパー王座吸収を目論む。

 さらにこの日の井上は「バンタム級で具志堅さんのV13を目指す」と不滅の金字塔、V13破りを宣言。これまで減量に苦しんでいた男は、黄金のバンタムで全盛期を迎えようとしている。