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元日本ライト級1位の熊野、有終の美飾る

2013年9月2日 21時24分

 元全日本ライト級新人王で元日本同級1位の熊野和義(34=宮田)が2日、後楽園ホールでウェルター級8回戦の“引退試合”を行い、今野裕介(24=角海老宝石)を2-0で下し、有終の美を飾った。スコアは77-76、78-76、77-77。

最後まで前に出続けた熊野(右)

 ラストファイトも熊野らしい試合だった。スタートは10歳若い今野がスマートなボクシングでリードしたが、2回から熊野は距離をつぶすいつものスタイルで勝負。試合はシーソーゲームとなったが、終始前に出た熊野が小差の判定勝利を手にした。

 試合後は引退セレモニーが行われた。宮田会長が「今日勝ってしまってまたやりたいと言い出すのが怖い。絶対に引退しろよ!」と会場を盛り上げると、熊野は「自分は引退するけど、世界挑戦を目指す粉川をはじめ、宮田ジムの後輩たちをこらからも応援してほしい。これからはボクシングジムを開くという夢に向かっていく」とあいさつした。

 熊野は早稲田大学在学中の01年にプロデビュー。翌02年に強打の石井一太郎(現横浜光ジム会長)との無敗対決を制するなどして、全勝で全日本新人王に輝いた。その後は勝負所で痛い星を落とすなど、なかなかブレイクできず、タイトルマッチにも縁がなかったが、激闘型のファイトスタイルで後楽園ホールを沸かせた。

 近年で印象深い試合は10年の小原佳太(三迫)戦だろう。トップアマだった小原のデビュー戦の相手に指名された熊野は初回にいきなりをダウンを奪うピンチ。しかしここから持ち前の馬力を生かしたボクシングで盛り返し、5回逆転TKO勝利を飾った試合は見事だった。生涯戦績は26勝6KO12敗。

 夢であるジム「熊野ボクシング&フィットネスジム」は早くも9月14日、葛飾区金町にオープンする。http://kumanogym.com/

粉川(右)は実力の違いを見せつけた

◇53kg契約8回戦
粉川拓也(宮田)[3回2分1秒KO]ペットグラビー・シットサイトーン(タイ)
 日本フライ級王者の粉川はスタートからKOを狙っていった。初回に鋭い踏み込みからワンツーを決めて最初のダウンを奪うと、3回に2度のダウンを追加。ペットグラビーはよく粘ったが試合はワンサイドだった。

◇ウェルター級8回戦
新藤寛之(宮田)[1回2分39秒TKO]イッティポン・シットナムポン(タイ)
 日本同級2位の新藤は初回、タイ人の右を外して左ストレートを決めてきれいなダウンを演出。さらに左のカウンターで2度目のダウンを奪い、試合を終わらせた。

ダウンの応酬を制したのは石川(右)

◇S・フライ級8回戦
石川雄策(角海老宝石)[2-0(75-74、76-73、74-74)]田部井要(宮田)
 サウスポーの石川が右フックを決めて田部井がダウンする幕開け。勢いに乗る石川が2度目のダウンを奪ったが、2回にはパンチ力で勝る田部井が右フックから畳み掛けてダウンを奪い返し、試合は分からなくなった。ここから試合はバッティングとクリンチが多発。荒れ模様の中で石川のボディ攻撃が光った。ところが4回、田部井が左フックから攻めたててダウンを追加。一進一退の展開は後半に入っても続き、5回は田部井、6、7回は石川と目がぐるしい展開が最後まで続いた。田部井は終盤にスタミナが切れた印象。

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