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伊藤雅雪の初世界戦目前 山中慎介氏が分析&エール

2018年7月27日 17時10分

 日本期待の伊藤雅雪(伴流)が世界初挑戦するWBO世界S・フェザー級王座決定戦(日本時間29日、米フロリダ州キシミー)が目前に迫ってきた。元OPBF、WBOアジアパシフィック王者の同級2位、伊藤が拳を交えるのは23勝15KO無敗のクリストファー・ディアス(プエルトリコ)だ。アウェーでベルト獲得を狙う伊藤に対し、元WBC世界バンタム級12王者“ゴッドレフト”の山中慎介氏がWOWOWのインタビューに答えてエールを送った。試合の模様は29日午前11時からWOWOWライブで生中継される。

■引退後のゴッドレフトは大忙し

――山中さんが3月26日に引退発表してから4ヵ月近く経ちました。まずは近況について教えてください。

山中「最後の試合が3月1日なので、ずいぶんたちましたね。引退直後は今後の進路について迷うだろうと思ったんですが、ありがたいことにテレビや雑誌、イベントの仕事などをいただいて忙しい毎日を送っています。将来についてゆっくり考える時間がないほどです。そんな状況なので先のことについては少し落ち着いてから考えようと思っています」

――また試合をしたくなるのでは?

山中「試合はともかく、練習はしたくなりますね。時間ができたときにロードワークはやっているんですが、サンドバッグを打ちたいと思うことがあります。そのうち時間ができたら、たまにはジムに行きたいと思っています」

――先日は後援会主催のパーティーもありましたね。 山中「1300人ぐらい来てくださり、思いがけず10カウントの演出もありウルウルしてしまいました(笑)。ありがたいことです」

公開練習でシャドーを披露する伊藤

■相手はやりづらいはず、それが伊藤のボクシング

――さて、山中さんとはジムも階級も異なりますが、伊藤雅雪選手が日本時間の29日にアメリカで世界戦に臨みます。伊藤選手とは面識はありますか。

山中「直接会ったことはありませんが、行きつけの飲食店が同じで、共通の知人もいるので、彼が勝ってチャンピオンになったらお祝いに一緒に食事でもしたいですね」

――伊藤選手の戦いぶりに関しては、どんな印象を持っていますか。

山中「センスのある、良いボクシングをする選手だなと以前から思っていました。特に東洋太平洋チャンピオンになるなど、ここ数試合で意識が変わってきた印象を受けますね。自分から仕掛けていくことが増え、世界戦を見据えているなと感じていました。おそらく自分でも力がついてきたことを実感しているだろうし、だからこそ自分から攻めて出るようになったんでしょう」

――どんな点が伊藤選手の特徴だと思いますか。

山中「相手にとってはやりづらいんじゃないですかね。体格(身長174センチ)にも恵まれ、長い距離で戦えるうえ見た目以上にパンチ力もあると思います」

■ディアスは左フックに勢いあり

――この数年、伊藤選手はアメリカのロサンゼルスでトレーニングすることが多いのですが、それもプラスになっていると思いますか。

山中「『絶対に世界タイトルを取るんだ』という強い気持ちがあるから環境の違うところでトレーニングしているんじゃないですかね。僕も海外でトレーニングしたことがありますが、日本とは雰囲気が違うし、すごくプラスになると思います。ボクシングの幅を広げるという意味でも、まったく違う環境でトレーニングすることは意味があるはずです」

――その伊藤選手の相手、ディアスについてはどんな印象を持っていますか。

山中「スター候補のひとりですよね。右ストレートのタイミングが良く、また左フックの返しは勢いがありますね。その左は振りが大きいけれど、意外に速くてタイミングが良いのでは、と思っています」

■伊藤はスタイルを貫けば勝てる!

――どんな試合展開を予想しますか。

山中「伊藤選手は長い距離から左ジャブを繰り出し、打ち下ろしの右ストレート主体のボクシングになると思います。それをやり切れば勝てるでしょう。ディアスは距離を詰めないといけないので、接近してくるところを伊藤選手が迎え撃つイメージですね。

 体格差もあるのでディアスは伊藤選手の左ジャブをいやがるんじゃないですか。ただ、伊藤選手は打たせないことも重要ですが、ジャブを突いて距離をつかんだら自分から攻めていく必要があるでしょう。そうしないと相手の勢いに飲まれてしまうので。伊藤選手は最近、そういう戦闘スタイルを身につけていますよね」

――世界初挑戦の伊藤選手にエールをお願いします。

山中「アウェーでの試合ですが、実力も自信もつけてきたベストのタイミングでの世界挑戦なので、期待しています。世界タイトルを持ち帰ってほしいですね」

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