2018年12月30日日曜日

井上拓真がWBC暫定獲得「まだ喜んではいられない」

  WBCバンタム級暫定王座決定戦が30日、大田区総合体育館で行われ、同級5位の井上拓真(大橋)は同2位ペッチ・CPフレッシュマート(タイ=本名タサーナ・サラパット)に3-0判定勝ち。WBAバンタム級王者の兄、尚弥との兄弟同時王者が誕生した。スコアは117-111×3。

拓真を中心に井上家、兄弟で世界王者となった

 

 井上尚弥の弟として注目を浴びる拓真が初めて世界タイトルの舞台に立った。拓真は開始早々のアタックでサウスポーのペッチにダメージを与えると、ペッチも踏ん張って応酬。試合は初回からヒートアップした。

 ペッチは好戦的に前に出てやや大振りのパンチを振り回していった。スピードで上回る拓真は2回、打ち終わりにうまくパンチを合わせた。

 しかしペッチは圧力をかけ続け、ボディ攻撃を仕掛けていく。拓真はロープを背負うシーンが増えるものの、クリーンヒットは許さなかった。4回終了時の採点は39-37×3で拓真がリードした。

要所でクリーンヒットを決めた拓真(右)

 

 中盤もペッチが前に出て、拓真がこれをしのぎながら断続的にカウンターを決めるという展開。追い足の鈍いペッチは拓真をつかまえられない。8回終了時の採点は77-75、78-74、79-73。拓真がリードを広げた。

 拓真は9回にコンビネーションを決め、10回にも右を決めてチャンスを作ったが、畳みかけることはできず。スイッチして前に出るペッチをかわし続け、ゴールテープを切った。 

 拓真は13勝3KO無敗。「暫定なので、正規チャンピオンではないのでまだ喜んではいられない。1ラウンドでインパクトのある試合を見せたいと思い、いきすぎたところがあって、ずるずるといってしまった。この内容じゃナオに追いついたとは言えない。並べるように精進していく」とリングで話した。ペッチは48勝33KO1敗。

 なお、WBCバンタム級は1月19日、米ラスベガスで1位ノルディ・ウーバーリ(仏)と3位ルーシー・ウォーレン(米)が正規王座決定戦を行う。拓真はこの試合の勝者との王座統一戦が義務付けられる。

 同王座は3月、ルイス・ネリ(メキシコ)が山中慎介戦の前日に体重超過でタイトルをはく奪され、王座が空位となった。WBCはウーバーリに王座決定戦の指令を出したが、なかなか試合が行われず、指名挑戦者決定戦に勝利した拓真と2位ペッチの暫定王座決定戦が認められた。

■バンタム級世界王者

WBAスーパー ノニト・ドネア(比)

WBA 井上尚弥(大橋=V1)

WBC 空位
※1月19日にノルディ・ウーバーリvsルーシー・ウォーレンで正規王座決定戦

WBC暫定 井上拓真(大橋)

IBF エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ=V1)

WBO ゾラニ・テテ(南ア=V3)

 ドネア、井上尚弥、ロドリゲス、テテはバンタム級トーナメント、ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)に出場中。準決勝のカードはドネアvsテテ、井上vsロドリゲスとなっている。