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井上真吾トレーナー「拓真にメガネを渡していた」

2019年5月21日 19時14分

 バンタム級2冠王者となった井上尚弥(大橋)と一緒に帰国した父の真吾トレーナーが21日、エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)のトレーナー、ウイリアム・クルス氏との騒動についてあらためて語った。

羽田空港で取材に応じた真吾トレーナーと井上

 英グラスゴーで18日(日本時間19日)に開催されたWBSSバンタム級準決勝に先立ち、15日に行われた公開練習で事件は勃発。真吾トレーナーがロドリゲスのシャドーボクシングの写真を撮ろうとしたところ、クルス氏に突き飛ばされた一件だ。

 真吾トレーナーは突き飛ばされたあと、クルス氏と2度にわたるにらみ合いの末、「やってやろうと思って拓真に眼鏡を渡していた」と爆発寸前であったことを告白。ここは井上が熱くならず、クールに試合に臨めるよう、真吾トレーナーは我慢して平静を装った。

 ところが冷静に見えた井上は「グラスゴーでは言わなかったけど、本当に腹立たしかった。絶対にぶっ倒してやろうと思って、ダウンを奪ったときは向こうのセコンドに向けてアピールしてやろうという気持ちはあったけど、ボクシングはスポーツなので、それはやめましたけど」と明かした。

 真吾トレーナーはロドリゲス陣営が感情的になり、「必要以上にプレッシャーをかけてきたのは相手の作戦ミス。それで早く終わったと思う」とも分析した。

 試合後もクルス氏は勝者を祝福するわけでもなく、両者の間で“手打ち”が行われたのは、試合が終わってしばらくしてから。井上陣営の近くを偶然通りっかったクルス氏が「グッドファイト」と真吾トレーナーに握手を握手を求めてきたのだ。真吾トレーナーは「最後に仲直りできて良かったですよ。あれがなかったら嫌な感じのままでしたから」と振り返った。

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