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「これが現実とは思いたくない…」

無念の伊藤雅雪が試合後コメント 
「これが現実とは思いたくない…」

2019年5月26日 20時00分

 25日(日本時間26日)に米国フロリダ州キシミーでジャメル・ジェリング(米)に判定負けし、WBO世界S・フェザー級王座から追われた前チャンピオン伊藤雅雪(横浜光)は試合後、悔しさを押し殺して気丈にメディアのインタビューに答えた。

伊藤は「楽観視してたわけじゃないけど」とも

 ヘリングを捕まえることができなかった12ラウンズを振り返ってまず「最初からもっとファイト(好戦的な試合を)できるかと思ってしまっていた」と伊藤は語った。

 実際はサウスポーのヘリングとの距離をうまく詰めることができずにラウンドを重ねてしまった。懸命に追いかけては逃げられるを繰り返してしまい、「一番わかりやすいかたちになってしまいました。もっと距離を潰して当てられると思ったんですが」と伊藤。

「こういう展開を予想していなければいけなかったんですが。楽観視していたわけじゃないけど、あれほど(へリングにサイドに)回られるとは思わなかったです。右からの左フックは当たるかなと思ったけど、相手も経験があって、こちらも単発なので、うまくごまかされた」

 ヘリングのパンチで効いたものはないというが、左ボディにはうまさを感じたそうだ。「こちらの入り際に合わせられた」と伊藤は言う。8回に強引に接近戦に持ち込み、左アッパーを好打したが、そこでもヘリングの左ボディに邪魔をされて、それ以上の攻勢を思うように仕掛けられなかったという。

 試合が終わった瞬間は「勝ったとも思わなかったし、雰囲気的にちょっと難しいのかなと。でも負けた気もしないような……」と不完全燃焼の思いを残した。

「最近はいい意味で噛み合う試合、相手も来てくれたので自分の中で満足していた部分はあるかもしれません。自分の中で、アメリカで戦うということに勝ち負け以上のものを求めていたので、余計に気持ちが前に出すぎたのかもしれない」と唇をかんだ。

「きょうは(自分に)失望した」と伊藤。この階級でアメリカで勝ち上がっていく夢を純粋に見ていただけに、伊藤のショックはベルトを喪失したこと以上に大きいのだろう。それは同時に日本のボクシングファンの夢でもあった。

 伊藤は時折言葉を詰まらせながら、最後は「本当に日本の人たちに申し訳ない。せっかく僕に期待してくれる人たちがいたので、それを裏切る形になったのが申し訳ない」と繰り返した。

 今後については、現時点で「まだ考えたくない気持ち」という。「僕はただ続けていけばいいと思っているわけじゃなかったので。何と言っていいのかわからないんですが、ホントに簡単じゃない世界なので。簡単に(元の場所に)戻ってというのは難しいと思う。これが現実と思いたくはないんですが、まだ考えられない」と伊藤は話した。

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