死刑判決を受けていまだ無罪を求めて裁判を続けている元日本フェザー級6位の袴田巌さんが5日、東京･後楽園ホールで行われた「第53回フェニックスバトル」を観戦した。袴田さんが昨年3月に東京拘置所を釈放されてから、ボクシング観戦をするのはこの日が初めてだった。

　この日静岡から上京した袴田さんは後楽園ホールに到着すると、第1試合から日本プロボクシング協会の用意した“袴田シート”で試合観戦。メインイベント前にはリングアナウンサーに紹介され、自らリングに上がって会場のファンに手を振った。

　隣で一緒に観戦して真部豊会長によると、袴田さんは戦況について尋ねると「今の（ラウンド）は青だな」とか「相手の左がけっこううるさいな」と感想を述べていたという。姉の秀子さんは「今日は朝起きたら巌が出かける準備をしていた。こんなに熱心に観戦するとは思わなかった」と驚いていた。