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山中慎介がV11、モレノを4度倒して完全決着

2016年9月16日 20時47分

 エディオンアリーナ大阪第一競技場で16日開催されたダブル世界タイトルマッチのメインイベント、WBC世界バンタム級タイトルマッチは、王者の山中慎介(33歳=帝拳)が挑戦者1位のアンセルモ・モレノ(31歳=パナマ)に7回1分9秒TKO勝ち。国内最長防衛記録2位タイとなる11度目の防衛に成功するとともにリング誌ベルトも手に入れた。

モレノとの因縁の再戦に決着をつけた山中(左)

 両者は昨年9月に対戦して、山中が2-1判定で勝利したが、スコアは115-113×2で山中、115-113でモレノという「どちらの手が挙がってもおかしくなかった」(山中)という接戦。完全決着をつけるべく、バンタム級を代表する両サウスポーが再び激突した。

 試合は初回から動いた。モレノがいきなり右を決め、山中がフラつくヒヤヒヤの立ち上がり。それでも山中はすぐにパンチを出しながら立て直そうと試みた。そしてラウンド終盤、山中の左がドンピシャのカウンターとなって決まると、モレノがたまらずひざをついてダウン。いきなりエキサイティングな幕開けとなった。

 歴戦の強者モレノはここであっさり終わるようなボクサーではなかった。失点を挽回しようと2回から手数を増やして山中に迫り、ジワジワとペースを引き寄せ、4回に右を叩き込み、今度は山中がダウンだ。山中が左を決めて攻勢に出たところに右をあわされての一撃だった。4回を終わってのジャッジは38-37×2で山中、残りが37-37だった。

 ダウンを喫した山中は5回に強気に攻めるが、モレノの右フックを再びもらってグラリとバランスを崩す。山中がモレノの右に対応できていないようで、気が抜けない展開となったが、そんなファンの心配を吹き飛ばすように“神の左”が炸裂した。

 迎えた6回、山中の左ストレートが再び火を噴き、モレノがガクッと崩れてコーナーに崩れ降りた。立ち上がった挑戦者はここを何とかしのいだが、7回開始早々、今度は山中の左がモレノのアゴをモロにとらえた。さすがにこれは立ち上がれないと思われたが、モレノはガッツを見せて試合続行に意欲を示す。しかし山中はこのチャンスを逃さず、この日4度目のダウンを奪って試合を終わらせた。

 3試合ぶりのKO防衛となった山中は26勝18KO無敗2分。試合前に「この試合を最後にS・バンタム級にクラスを上げる」と話していたモレノは36勝12KO5敗1分。

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