24年の年間優秀選手表彰式が31日に東京ドームホテルで盛大に開催された。プロ最優秀選手賞の井上尚弥（大橋）を筆頭に表彰選手が一堂に会した。

　会場が騒然としたのは、井上のＭＶＰ受賞スピーチでのこと。「今年は５月、９月、12月と激戦が続いていく予定です」とこれからの自身のスケジュールを語った後、「ファンの方々、関係者の方々皆さんから多く声が上がっている国内ビッグマッチに向けてベストを尽くしたい」として、突如後方を振り返り「そこで中谷君――」。そこには技能＆ＫＯ賞を受賞した中谷潤人（Ｍ．Ｔ）が座っていた。

　井上は「１年後ここ東京ドームで日本ボクシング界を盛り上げましょう」と語りかけてマイクを中谷に手渡した。中谷もこれに応えて「ぜひ、やりましょう」。驚きに包まれる中で二人は握手をかわした。

　これは日本のみならず世界のファンや関係者が実現に注目していることを意識した井上のアクションだった。中谷も「井上選手もこういう試合を臨んでくれているんだなと直に感じられた」と受け止めた。井上－中谷戦は実現すれば「日本史上最大の一戦」となる期待感がある。「この時期からドラマをつくれば１年後にすごく注目を浴びる試合ができる」と井上。今後も互いに意識し合い、それぞれが試合に勝ち進みながら、対決ムードは高まっていくだろう。

◆24年の表彰選手
最優秀選手賞：井上尚弥（大橋）
技能賞：中谷潤人（Ｍ．Ｔ）
殊勲賞：堤聖也（角海老宝石）
ＫＯ賞：中谷潤人（Ｍ．Ｔ）
努力・敢闘賞：那須川天心（帝拳）
新鋭賞：増田陸（帝拳）
年間最高試合（世界戦）：井上尚弥－ルイス・ネリ
年間最高試合（世界戦以外）：村田昴－山崎海斗
女子最優秀選手賞：晝田瑞希（三迫）
女子年間最高試合：晝田瑞希－パク