米カリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで現地時間28日、ゴールデンボーイ・プロモーションズ（ＧＢＰ）とモースト・バリアブル・プロモーションズ（ＭＶＰ）がイベントを開催。メインのクルーザー級10回戦で、ユーチューバー・ボクサー、ジェイク・ポール（米）が二世ボクサーの元ＷＢＣミドル級王者フリオ・セサール・チャベスJr（メキシコ）に３－０判定勝ちを収めた。

　満員札止めの観衆がスタンドを埋める中、マリアッチバンドの演奏で入場したチャベスJrに対し、ポールも緑、白、赤のメキシカンカラーをあしらったガウンを着用してリングイン。左ガードを下げた構えで対処するポールにチャベスはハイガードで立ち向かう。初回に右オーバーハンドを決めたポールは左ジャブをまんべんなく放ち、断続的に右をボディーにねじ込んで優勢に進める。

　チャベスは全盛期に武器だった左レバー打ちを返す場面があるが、手数でも正確さでもポールが勝り、見せ場をつくれない。それでも６回、ファンを沸かせるシーンをつくったが、７回にはポールに右アッパーを狙い撃ちされてポイントを失う。ようやく９回、左ボディー、右強打でチャージし沸かせ、最終回に望みをつないだが、逆転はならなかった。
　スコアカードは99－91、97－93、98－92でポールの勝利。前回、元ヘビー級統一王者マイク・タイソンに判定勝ちしたポール（12勝７ＫＯ１敗＝28歳）だが、タイソンは58歳でしかも19年ぶりの公式試合だった。チャベス（54勝34ＫＯ７敗１分＝39歳）は元世界王者という肩書もあり、これまでの対戦相手の中で最強だとみなされる。

　試合前、ＷＢＣマウリシオ・スライマン会長はポールがチャベスに勝てば、クルーザー級で世界ランキング入りが有力だとメディアに明かしていた。次回ランキングにポールの名前が記されるのはほぼ確実。ＷＢＣ王者バドゥ・ジャック挑戦が現実味を帯びてきそうだ。