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ホープ山内涼太 WBA13位に2-0判定勝ち

粉川拓也8回TKO負け OPBF王座獲得ならず 
ホープ山内涼太 WBA13位に2-0判定勝ち

2019年8月23日 21時25分

 OPBFフライ級タイトルマッチが23日、後楽園ホール「SLUGFEST」のメインで行われ、挑戦者4位の粉川拓也(角海老宝石)はWBC15位の王者ジェイアール・ラクィネル(比)にに8回57秒TKO負け。OPBF・S・フライ級、日本フライ級(2度)に続くタイトル獲得はならなかった。ラクィネルは2度目の防衛に成功。

8回に試合を決めたラクィネルは対日本人3連勝

 22歳のサウスポー、ラクィネルが初回から鋭い左ストレートを打ち込んでいった。これをボディに食らった34歳の粉川は動きがストップ、右フックも浴びていきなりピンチを迎える。何とか立て直したかに見えたが、今度は打ち終わりにバチーンと左を合わされた。嫌なムードに包まれる中、34歳のベテランは起死回生の右カウンターでラクィネルからダウンを奪う立ち上がりとなった。

 2回以降は、圧力をかけるチャンピオンが、リングをグルグルと回る粉川を追いかけ続けるという展開。両者手数が少ない中、3回にラクィネルが粉川のパンチで右目の上をカット。下がるばかりの粉川は手数の少なさがたたり、4回終了時の採点は38-37×3で王者がリードした。

 粉川は5回から巻き返しを図ろうとしたが、迫力のあるラクィネルにアタックされると、再び下がり続けるボクシングに陥ってなかなか手が出ない。粉川は7回から少し手が出るようになってきたが、8回にラクィネルの左を食らってリングにバッタリ。主審が即ストップした。

 粉川は30勝13KO6敗1分。担架での退場となった。ガッツポーズのラクィネルは11勝8KO1敗1分。

 粉川は控え室で「(ジムを移籍して)これだけいい環境でボクシングをさせてもらって、タイトルを獲って恩返しがしたかった。負けたのは僕の責任」と言葉を絞り出して号泣。試合に関しては「ボディが効いたのは覚えているけど、ほとんど覚えていない」。初回にもらったパンチで記憶が飛んだのかもしれない。

山内(右)は苦しみながらも世界ランカーから白星

◇フライ級8回戦
山内涼太(角海老宝石)[2-0(78-74、77-75、76-76)]アルフォイ・ダガイロアン(比)
 日本フライ級11位の山内は3月に中国でプロ初黒星を喫し、今回は2戦連続の世界ランカー戦。懐の深いサウスポーのダガイロアンに対し、スピードで上回る山内はワンツー、左アッパー、左ボディで崩しにかかる。ダガイロアンは圧力をかけて左ストレートを上下に打ち分け、互いに主導権を握ろうとした。

 3回に入るとダガイロアンがプレスを強めてボディ攻撃、山内が左ボディやコンビネーションを繰り出し、近距離での攻防が増えていく。山内がボディで相手の動きを止めるシーンを作ったが、ダガイロアンは6回に右フック、右アッパーで山内の顔を跳ね上げ、勝負の行方は分からない。

 最終回も競り合いが続き、ジャッジは山内に軍配を上げた。初判定勝ちの山内は5勝4KO1敗。ダガイロアンは13勝5KO3敗5分。苦しみながら勝利の山内は「きょうの試合では全然ダメなので、もっと練習します」。

粕谷(右)はチャンスを逃さず試合を決めた

◇ライト級8回戦
粕谷雄一郎(角海老宝石)[TKO4回43秒]酒井孝之(協栄)
 日本ライト級18位の酒井がアグレッシブに攻め、粕谷がジャブ、左フックでこれを迎撃した。酒井のラフなパンチがヒットするシーンもあったが、有効打で上回る粕谷は3回、ボディでダメージを与えてから左フックを決め、酒井をキャンバスに送る。4回、酒井は前に出たが、粕谷が再びボディから連打を決めたところでストップ。粕谷は13勝4KO2敗1分。酒井は9勝6KO2敗1分。

酒井(右)は機動力と多彩なパンチを披露してデビュー戦勝利

元高校王者の酒井幹生と中井龍がデビュー

◇ミドル級6回戦
酒井幹生(角海老宝石)[3-0(58-54、59-54×2)]エルフェロス・ベガ(平石)
 北海道・札幌工高でインターハイ制覇、東京農大、自衛隊出身の酒井(アマ44勝19RSC22敗)がB級デビュー戦。酒井は足をよく動かしながら多彩なパンチを打ち込む上々の立ち上がり。これが1年5ヵ月ぶりのリングとなる元日本ランカーのベガはバッティングで減点1。

 打っては離れの酒井は4回、打ち合いに転じ、被弾もありながら5回は左ボディを効かせて好機を作る。ここから連打で迫った酒井は詰め切れず。ベガも意地を見せ、最後は両者ともにスタミナを使い切った。コロンビア出身、35歳のベガは7勝5KO7敗。

◇S・フェザー級6回戦
ジェイ・ロイド・クィドラット(比)[引き分け1-0(57-56、56-56×2)]中井龍(角海老宝石)
 兵庫・西宮香風高で選抜優勝、近大出身のサウスポー中井(アマ30勝15RSC16敗)のB級デビュー戦。体格とスピードで上回る中井は距離を取って戦おうとした。しかし2回、ボディ攻めで圧力をかけるクィドラットの右を食らってダウンした。

 ダメージのなかった中井は3回に左カウンター、ボディブローで反撃。4回には左アッパーをボディに打ち込んでチャンスを作った。中井は5回も左から連打で畳みかけたが、カウンターの左フックをもらってダウン。中井は最終回に打ち勝ち、クィドラットにダメージを与えて何とかドローに持ち込んだ。クィドラットは4勝2KO2分。

◇S・バンタム級4回戦
笈川夏愛(角海老宝石)[2-0(39-38、39-37、38-38)]木村元祐(JM・加古川)

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