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ロマチェンコvsキャンベル 五輪金メダル対決の歴史

2019年8月29日 19時49分

 31日(日本時間9月1日)ロンドンのO2アリーナで3階級制覇王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)が自身の保持するWBA&WBO世界ライト級王座と、WBCベルト(王座決定戦)の3冠をかけて同級1位ルーク・キャンベル(英)と対戦する。

現在のPFPキング、“ハイテク”ロマチェンコ

 リング誌のパウンド・フォー・パウンド・ランキングで堂々1位のロマチェンコは08年北京五輪フェザー級、12年ロンドン五輪ライト級金メダリスト。キャンベルは12年ロンドン五輪バンタム級で金メダルを獲得しており、両者の一戦は“金メダリスト対決”ということになる。そこで過去の世界タイトルマッチにおける金メダリスト対決を振り返ってみると─。

 歴史的に有名なところでは60年ローマ五輪L・ヘビー級のモハメド・アリ(米)、64年東京五輪ヘビー級のジョー・フレージャー(米)、68年メキシコ五輪ヘビー級のジョージ・フォアマン(米)が三つ巴の争いを繰り広げた1960年代から70年代ということになる。74年10月、アリがフォアマンに下した一戦は“キンサシャの奇跡”として歴史に刻まれた。

これは大盛り上がりだったジョシュアvsクリチコ

 21世紀に入るとアトランタ五輪S・ヘビー級のウラジミール・クリチコ(ウクライナ)が88年ソウル五輪ヘビー級のレイ・マーサー(米)、04年アテネ五輪S・ヘビー級のアレクサンデル・ポベトキン(ロシア)、12年ロンドン五輪S・ヘビー級のアンソニー・ジョシュア(英)と対戦した。

 ジョシュアvsクリチコは近年の金メダル対決でベストバウトに数えられるだろう。こうしてみると、金メダリスト対決はヘビー級が圧倒的に多いというのが特徴だ。

 ヘビー級以外では、92年バルセロナ五輪ライト級のオスカー・デラホーヤ(米)が84年ロサンゼルス五輪ライト級のパーネル・ウィテカー(米)を下してWBCウェルター級王座を獲得、4階級制覇を成し遂げた。

 最も新しいところでは、ロマチェンコがバンタム級で00年シドニー五輪と04年アテネ五輪を制したギジェルモ・リゴンドウ(キューバ)と五輪2大会金メダル対決をして話題を呼んだ。

■世界タイトルマッチにおける五輪金メダリスト対決(1960年以降、左側が勝者)

1965年11月 WBC・WBAヘビー級
王者モハメド・アリ(米)[TKO12回]挑戦者フロイド・パターソン(米)

1971年3月 WBC・WBAヘビー級
王者ジョー・フレージャー(米)[判定]モハメド・アリ(米)

1973年1月 WBC・WBAヘビー級
挑戦者ジョージ・フォアマン(米)[TKO2回]王者ジョー・フレージャー(米)

1974年10月 WBC・WBAヘビー級
挑戦者モハメド・アリ(米)[TKO8回]王者ジョージ・フォアマン(米)”

1975年10月 WBC・WBAヘビー級
王者モハメド・アリ(米)[TKO14回]ジョー・フレージャー(米)

1978年2月 WBC・WBAヘビー級
挑戦者レオン・スピンクス(米)[判定]王者モハメド・アリ(米)

1978年9月 WBAヘビー級
挑戦者モハメド・アリ(米)[判定] 王者レオン・スピンクス(米)

1997年4月 WBCウェルター級
挑戦者オスカー・デラ・ホーヤ(米)[判定]王者パーネル・ウィテカー(米)

2002年6月 WBOヘビー級
王者ウラジミール・クリチコ(ウクライナ)[TKO6回]挑戦者レイ・マーサー(米)

2013年10月 WBAスーパー・IBF・WBOヘビー級
王者ウラジミール・クリチコ(ウクライナ)[判定]挑戦者アレクサンデル・ポベトキン(ロシア=WBA正規王者)

2017年4月 IBF・WBAヘビー級・スーパー王座決定戦
IBF王者アンソニー・ジョシュア(英)[TKO11回] 挑戦者ウラジミール・クリチコ(ウクライナ)

2017年12月 WBO・S・フェザー級
王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)[TKO6回]ギジェルモ・リゴンドウ(キューバ)

 戦前の下馬評ではロマチェンコの優位が伝えらる中、後世に語り継がれるようなファイトは実現するのか? キャンベルの奮闘がカギを握りそうだ。

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