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石井一太郎プロモーターに飯田覚士さんが聞く 仁川興行の裏事情 なぜカシメロを呼べたのか

2022年12月24日 12時19分

 12月3日、韓国仁川のカジノリゾートで画期的な興行を打ったTB(トレジャー・ボクシング)プロモーション。代表の伊藤雅雪さん(元WBO世界S・フェザー級王者)とタッグを組んで実現に奔走したのが、本誌連載コラムでもおなじみの石井一太郎さんである。ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)を韓国のリングに上げるまで、そして肝心の試合――イベントの裏側を明かしてもらおう。《ボクシング・ビート1月号より》

飯田さん(左)と石井プロモーター

飯田 いやホント、まさか。想像もしていなかった結末でした。(注:カシメロ-赤穂戦はその後ノーコンテストからカシメロの2回KO勝ちに裁定が変更された)
石井 カシメロが韓国に入って、計量をクリアする。今回はそこが一番の(興行の)ポイントだと思っていたんですが。

飯田 たしかに。その話からしましょう(笑い)。まずカシメロが入国できるのかというところにエネルギーを注いでいた。
石井 いろんな噂があったじゃないですか。中でも未成年者への性的暴行疑惑、あれが一番ですよね。

飯田 はい。
石井 僕らが契約した段階ではカシメロはイギリスにいて「フィリピンに帰れない」という話でした。そのほかの海外プロモーターにしても、カシメロを使わなかった理由が、フィリピンに帰れない、つまりビザが取れないと。

飯田 そういう噂があったのに契約をして進めたのはなぜ?
石井 そんなこともないだろう、と考えていたんです。もちろん契約書にはビザを取得できず試合に出場できない場合の文言も盛り込んではいますよ。でも実際、ビザを取れるかどうかを事前に調べることはできない。いついつどこで試合をやります、との契約書があっての手続きです。ビザ取得のために、本当にそのイベントが開催されることを示さないといけない。

飯田 ハードルやリスクがグンと上がりますね。
石井 イギリスにも6ヵ月間の短期ビザでいたようで、もうすぐ出ないといけない。僕らは「じゃあ帰ればいいじゃない」と思うんですが、そこで「フィリピンに帰れない」と聞いたんです。当時はカシメロのマネジメント会社とコンタクトを取っていたので、僕らも「えっそうなの」と。

飯田 どうしようかと。
石井 だったらまずフィリピン人がビザなしで滞在できる国、それで「タイに行ってくれ」と伝えました。そこで今後を考えようとなったんです。

飯田 契約した後の話だよね?
石井 ええ。カシメロもすごい行動が早いんです。すぐに向かった。そのあたりからカシメロ本人と直接コンタクトを取るようにしました。彼のもともとの知り合いにビサヤ語の通訳に入ってもらって。

飯田 ほうほう。
石井 そこで選択肢は2つでした。第三国にいながらビザを取る。もうひとつがフィリピンに戻って取る。でもフィリピンには帰れない、逮捕されるという噂だから。

――石井さん自身は彼の暴行疑惑を信じていたのですか?
石井 というよりも、疑惑じゃないですか。だから「帰れない」とはどういう意味なのかと。帰るのが怖いのと、帰ったら捕まるとでは全然違いますから。いずれにせよ帰れないのならそれで、お金はかかっても第三国にいながら取得できるならいいと考えていました。

飯田 スリリング。契約した後なんだからもうやるしかないし。
石井 でも結局、タイで取れると思ったものが相当難しいとなった。取れるかどうか分からないと言われたんです。試合の1ヵ月ほど前のことです。
飯田 ええーっ。..

 カシメロの意外な素顔や今後の展望。対談記事全文は発売中のボクシング・ビート1月号でお読みできます。

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