那須川天心、エストラーダに9回終了TKO勝ち 再起&WBC挑戦権獲得

11日、東京・両国国技館で開催された『Prime Video Boxing15』のメインイベント、WBCバンタム級挑戦者決定12回戦は、2位の那須川天心(帝拳)が1位で元世界2階級制覇者のフアン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)に9回終了TKO勝ち。昨年11月の初黒星からの復帰を飾り、WBC王座挑戦権を獲得した。

エストラーダを棄権に追いやり再起を果たした那須川㊧

スピードを生かした多彩な左と、相手の間合いを切り続けたポジショニング。那須川が元WBAフライ級&WBC・S・フライ級王者エストラーダを終始コントロールし、最後は音を上げさせた。

足を使いすぎずじりじりと左へ移動しながら左ボディーアッパーと左ストレートを軸にした那須川は、自身が得意の中間距離以上をキープして、エストラーダに付け入る隙を与えなかった。その左を生かすために飛ばす右ジャブも、エストラーダに煩わしさを感じさせていただろう。元王者もじわりと踏み込んで右ストレートを単打でヒットしたり、左ボディーから左アッパーを返す往年の片鱗を見せたりしたものの、早々と右目下を腫れさせた那須川の左ブローの印象を上回ることはできなかった。

4回終了時では38-38、38-38、39-37とジャッジ1人が那須川を支持する接戦のスコアだったが、ペース支配はすでに那須川が握っていた。

5回、エストラーダが手を出しづらい間合いを作る那須川は、左の上下攻撃に加え、左のフェイントからの右ボディーフックを見舞うと、続く6回、推進力を増し、右を打ちこむエストラーダと左を返す那須川の頭が当たり、エストラーダが倒れて中断。しかし、早い再開に応じたエストラーダに那須川が強い攻撃を仕掛けて印象度を増すと、7回には、フェイントから得意の意表を突く右アッパーをヒット。さらに、ボディーを十分に意識させておき、左のオーバーハンドをクリーンヒットさせて、エストラーダを後退させた。

8回終了後の採点で77-75、78-74、79-73とリードを広げた那須川は、9回に左の攻撃を加速させてエストラーダを精神的にも追い詰めて、棄権に追い込んだ。エストラーダのエルナンデス・プロモーターが試合後に明かしたのによると、この2ラウンド前にエストラーダは左わき腹を痛め、これが棄権の理由だった。

「勝つってこんなに嬉しいんですね。エストラーダ選手のおかげで強くなれた。試合前、初めて怖かったけど、周りのみんなに支えられた」とうっすら涙声になりかけた勝者。しかし、毅然とした表情を取り戻すと「どんな局面になっても勝とうと思って、苦手なことに取り組んできた。半年間でこれだけ人は変われる。完璧じゃないけど、その片鱗は見せられたと思う。これでリベンジの切符をちゃんとつかんだので、きっちりリベンジに向かいたい」と、世界再挑戦への思いを語った。

ターゲットは5月2日、東京ドームで行われるWBC王者井上拓真(大橋)対井岡一翔(志成)の勝者だ。

那須川(27歳)は8勝3KO1敗。試合後、何かを決断したような寂しい表情を浮かべていたエストラーダ(35歳)は45勝28KO5敗。

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