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WBOバンタム級王者モロニー チャレンジャー武居由樹の“意外性”に警戒もキャリアの差に自信

2024年4月30日 15時09分

 5.6東京ドーム「Prime Video Presents Live Boxing 8」で武居由樹(大橋)の挑戦を受けるWBOバンタム級王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)が30日、東京・神楽坂の帝拳ジムでメディアの取材に応じた。

スローなシャドーを披露したモロニー

 モロニーは2020年10月、ラスベガスでバンタム級2団体統一王者だった井上尚弥(大橋)に敗れたことで、日本のファンもよく知ることだろう。井上戦を「とても価値のある試合で成長の機会になった」と振り返ったモロニーは「いつか日本で試合がしたいと思っていた。巨大なビッグイベントに参加できてうれしい」と東京ドーム決戦を歓迎した。

 昨秋に大阪でトレーニングキャンプを3週間行っており、今回が2度目の来日だ。この試合に向けてはオーストラリアで行ったキャンプに前日本バンタム級王者の堤聖也(角海老宝石)、日本S・バンタム級2位の池側純(同)、中川抹茶(スパイダー根本)を招へい。22年12月に武居と対戦し、11回TKO負けした同胞ブルーノ・タリモもパートナーを務め、「キャリア最高の準備」で日本に乗り込んだ。

 日本人選手も3人も呼び寄せたことからも分かるように、モロニーはこの試合をとても重要視しており、かつ武居のことを警戒している。

 モロニーは「武居はノックアウトパワーがあって爆発力がある。普段とは違ったパンチが飛んでくると思う。集中力を切らしてはいけない」と武居の意外性を認めた。トレーナーのアンジェロ・ハイダー氏も「武居はキックボクシング出身で、いつもとは違う準備が必要だった」と武居のキックボクシングというバックグラウンドから“トリッキー”という表現を使った。

 プロで武居が初のサウスポー戦となることも警戒心を高めさせているのだろう。それでも同氏が「モロニーの強みはあらゆる事態に対応できること」、「私たちが上回っているのは“真の戦い”をしてきたことだ。武居が真の戦いでどうするのか楽しみだ」と語り、モロニーの対応力と、キャリアの差が勝敗を分けるという見方を示した。

 練習はかなりゆるめのシャドーボクシングを1ラウンド披露しただけ。視察に訪れた大橋秀行会長と八重樫東トレーナーは肩すかしを食らったが、大橋会長は「武居の強さはトリッキーじゃない。基本的なパンチが強いこと。そこはちょっと間違ってるかなと思った」と指摘した。

記者に囲まれる八重樫トレーナー

 八重樫トレーナーはジムに入った瞬間、モロニー陣営から「お前を知っている!」と歓待された。モロニーの弟アンドリューが今月12日、地元でペドロ・ゲバラ(メキシコ)とWBC・S・フライ級暫定王座決定戦を行うため、ゲバラの八重樫戦(14年12月)もよく研究していたからだ。この試合は八重樫トレーナーが左ボディでKO負けしていることもあり、「ちょっとむかつきました」と笑ってからモロニーについて次のように語った。

「こちらがチャレンジャーなので僕たちがつくっていく試合になる。そこでモロニーにとってのサプライズ、相手の想像を上回る部分が出れば思う。モロニーがサウスポーとの対戦した映像がないので分からないけど、ここを突いていこうというのはもちろんある」

 4大世界タイトルマッチの中でもモロニーと武居の一戦に期待を寄せるファンは多い。キャリアのある正統派王者のモロニー(33=27勝19KO2敗)か、もとK-1王者の挑戦者武居(8勝8KO)か、運命のゴングまであと6日となった。

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