六島ジム（枝川孝会長）は29日、大阪市のホテル日航大阪で会見を開き、所属のIBF世界バンタム級王者、西田凌佑（28）の初防衛戦を12月15日に大阪市の住吉スポーツセンターで開催すると発表した。挑戦者は同級14位、アンチャイ・ドンスア（28＝タイ）で戦績は16勝7KO。西田も9勝1KOで無敗同士の対決になる。この試合はU-NEXTが帝拳プロモーションの協力で日本人選手の世界戦を配信するU-NEXT BOXINGの第一弾興行。

　会見で、枝川会長が「4人の世界王者がいる中で遅れましたが、西田がようやく世界戦を大阪で開催できる運びになりました。六島ジムはこれまで15回世界タイトルマッチをしてきました。最初の名城（信男）がプロ8戦目で世界タイトルを獲った時は大阪帝拳ジムの先代、吉井会長にお願いして、帝拳ジムの本田明彦会長のご尽力で世界戦にこぎつけることができました。今回も本田会長のお声掛けでこのような興行を開催できることになりました。U-NEXTで行われる第一回目の世界戦。ジムには西田だけでなく、国本陸や若手ボクサーがいるので、世界を目指し精進していきます。西田には最高のパフォーマンスを見せてもらいたい」と愛弟子に気合いを入れた。

　5月にエマヌエル・ロドリゲス（プエルトリコ）をダウンを奪って攻略した西田がようやく初防衛戦のリングに立つ。「しっかりといい内容で勝ちたい。自分は4人いるバンタム級の世界王者の中では存在感が薄いので、防衛戦は内容が問われると思う。パンチをもらわず倒す試合をして、統一戦に向かっていきたい」と西田。ターゲットは「一番評価の高い選手なので、中谷選手と」とマイクを握る手に力を込め、チャレンジの意欲を示した。

　世界初挑戦のドンスアは28歳のオーソドックス型で今回が初来日。過去にリカルド・スエノ（レイマート・ガバリョや桑原拓と対戦）に大勝するなどし、いくつかの地域王座を獲っている。

　また、この興行のセミにはWBOアジアパシフィック・ミドル級タイトルマッチ12回戦、チャンピオン国本陸（27＝六島）が日本ミドル級3位で元王者の竹迫司登（33＝ワールドスポーツ）の挑戦を受ける。両者はマッチルーム社のミドル級トーナメント準決勝で対戦する予定だったが、興行が立ち消えになったため、新たに試合が組まれた。

　セミセミはOPBF・L・フライ級タイトルマッチ12回戦で、37勝33KO1敗でグリーンツダジムがサポートするチャンピオン、タノンサック・シムシー（24＝タイ）に元WBO世界ミニマム級王者、谷口将隆（30＝ワタナベ）が挑戦する。こちらも興味深いカードだ。