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増田陸V1 40歳のベテラン宇津見義広を7回TKO

2024年11月3日 0時24分

 2日、東京・後楽園ホールで行われた日本バンタム級タイトルマッチ10回戦はチャンピオンの増田陸(帝拳)が挑戦者8位・宇津見義広(ワタナベ)に7回26秒TKO勝ちをおさめ、初防衛に成功した。

変則宇津見をTKOで撃退した増田

 4団体の世界ランクにも入り(WBA10位、WBO12位、IBF13位、WBC14位)、近い将来の世界王座挑戦も期待される強打のサウスポー増田と、20年のプロキャリアで初めて日本王座に挑む40歳の宇津見。ラウンドが長引いたにしろ、両者の力の開き通りの展開が続いた。

 上体を上下動させ、その動きとはズレて左右を伸ばす宇津見。それが攻撃であり防御でもある腕の使い方で、向かい合う相手にとってはリズムを壊されるボクシングだ。しかし増田は冷静に宇津見の動きに対応して惑わされず、小さく滑らかなステップを入れながら、左右アッパーを見せて左ストレートにつないだ。

 2回に打撃を受けて右目尻をカットし、鼻血も流した宇津見は、クリンチ際に増田がほんのわずか押したりのしかかったりすると再三再四ヒザをキャンバスに着いてしまう。ダメージの蓄積もあってダウンを取られてもおかしくない形。また、エスケープと取られ、注意を受けてもしかたのない行為だった。

 増田の強打を頭を下げて辛くもかわしていた宇津見は、変則的な踏み込みから頭を持っていくスタイルで、増田はこれを避けることに慎重になった。さらに、左強打を顔面に決めたいという一念にもはまり、やや攻撃の幅を狭めたラウンドもあった。

 が、6回に入ると、ストレートとアッパーで宇津見のボディーを襲い、右足を左前方に出し入れするステップを再開し、リズムを取り戻す。そして続く7回、左ボディーストレートを突き刺して、左アッパーを顔面にフォローして宇津見を倒すと、ここでレフェリーが一方的な試合を止めた。

 「この内容には全然満足できない。もちろん世界一を目指しているけれど、これでは全然届かない」と反省しきりの増田。だが、宇津見の独特のリズムとパンチの軌道に対し、小さなステップとボディーワークでシャットアウトした巧さは見逃せない。また、バッティングをただの1度も食らわなかったことも評価すべきだ。6勝(6KO)1敗。ダメージを被りながら、最後まで粘りをみせた宇津見は17勝(10KO)12敗6分。

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