半世紀以上に及ぶ裁判の末、冤罪を晴らした元プロボクサーの袴田巌さんが23日、静岡県浜松市のアクトシティ浜松で開催された「第37回西遠ボクシングアワー」を観戦した。

　リングに上がった姉のひで子さんは袴田さんの無罪獲得を報告し、浜松のファンにこれまでの支援に対する感謝の言葉を述べた。リングアナウンサーが「勝者、袴田巌」とコールすると、会場から大きな拍手が沸き起こった。WBCから贈られた名誉チャンピオンベルトも紹介された。

　日本プロボクシング協会袴田巌支援委員会の新田渉世会長は「6試合目まで観戦して帰られましたが、袴田さんは楽しそうに試合をご覧になっていました」と話した。

　袴田さんは元日本フェザー級6位。66年の事件で逮捕、死刑判決を受けながら無罪を訴え続け、半世紀以上に及ぶ裁判闘争の末、昨年9月に再審無罪が確定した。89歳の現在、故郷の浜松市でひで子さんと静かに暮らしている。