ロマチェンコ引退発表 プロ3階級制覇、五輪連続金メダルの輝くキャリア閉じる
2025年6月6日 8時13分
2025年6月4日 18時42分
前WBO世界S・フライ級チャンピオンの田中恒成(畑中)が4日、名古屋市内のCBCテレビで会見を開き、現役引退を発表した。
プメレレ・カフ(南ア)にタイトルを奪われてから7ヵ月、田中が出した答えは引退だった。「プロボクサー田中恒成は引退することをご報告させていただきます」と切り出したこの日の会見。田中は「ケガがすべてです」と明かした。
もともと目が悪く、カフ戦は試合後に手術すると決めて臨んだが、「3ラウンド目には光も消えた」(田中)と、結果はダウンを喫して判定負け。カフ戦後に手術をし、視力こそ戻ったものの、いまも右目の視界はゆがんだままという。2020年暮れの井岡一翔戦以降は数度にわたり目や首の手術をしていることも明らかにした。手術をしたとはいえスパーリングでさえも失明の危険があり、現役続行を模索したものの「最後の1試合、でもそれも叶わない状況だった」(田中)と現実的な判断を下した。
再起したら統一戦や海外戦、5階級制覇挑戦や井上拓真(大橋)との試合などまだまだ目標はあったが、それは叶わず。「悔しさはあります」と認める。しかし「あの時こうしておけばよかった、という思いは1つもない」と、後悔がないともはっきり言った。
田中の挙げた思い出の試合は3つ――世界ランカー相手のデビュー戦、木村翔を攻略した3階級制覇戦、そして初黒星を喫した井岡一翔戦だった。中でもボクシングの奥深さを教えてくれた井岡には感謝している。「負けた時から尊敬している。好きな選手」と田中は言っていた。
井上拓真と並び、「華の95年組」を引っ張ってきた存在。「叶うのであれば井上拓真と戦いたかった」と恒成は言い、この日の会見前にもライバルにLINEを送ったという。
今後について具体的なことは決まっていないが、「ボクシングが好きなので、ボクシングに大きく関わっていきたい」と田中。「ボクシングにおける親」と田中が慕う畑中清詞会長は「恒成ありがとう、ご苦労さん」とねぎらった。小学5年の田中を初めて見た際に「5、6年もすれば必ず世界チャンピオンになれる」とその素質を見抜いていた。
初めてミニマム級で世界王座を獲得してくしくも10年の節目。S・フライ級までの4階級でチャンピオンになり、調整試合もほとんどなかった。リングでのスピード同様にキャリアを駆け抜けた印象が強い。生涯戦績は20勝11KO2敗。
田中の引退式は8月16日(土)に名古屋市の露橋スポーツセンターの畑中ジム興行で行われる。当日は松田ジムとの共催で、メインは畑中建人(畑中)がディオメル・ディオコス(比)と対戦。ほか、村田碧(松田)-原田怜(とよはし)の日本ユースS・フライ級王座決定戦、犬塚音也(松田)-藤野零大(カシミ)のWBCユースS・フライ級王座決定戦、宮澤蓮斗(松田)-イアン・アブネ(比)のWBCユース・ミニマム級王座決定戦や、坂井涼(畑中)、武藤涼太(松田)ら中部の次代を担うホープたちがこぞって出場する。
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