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パスカル老いたり、ツィエスラクが新暫定王者

2025年6月29日 16時36分

 現地時間28日、カナダのケベック州ラヴァルのプレイス・ベルにて、New Era Promotions主催興行が行われ、WBC世界クルーザー級暫定王座決定戦はWBCとWBAの元ライトヘビー級王者で同級10位のジャン・パスカル(ハイチ/197.2ポンド)と同級5位ミハウ・ツィエスラク(ポーランド/199ポンド)が対戦し、4ラウンド1分10秒でツィエスラクが新暫定王者となった。

 当初、同級シルバー王者のジャミル・ペラルタ(アルゼンチン)とツィエスラクで争われる予定だったが、ペラルタが負傷、離脱したことでパスカルに白羽の矢が立ち、開催地もパスカルのホームに変わったもの。

 初回、上背で約10センチ勝るツィエスラクが積極的に攻めると、スローテンポに持ち込みたいパスカルは大きなパンチを見せながらクリンチワークに励む。2ラウンドもツィエスラクがジャブから手数で優勢。ラウンド終了間際にはパスカルが前に出てきたところにツィエスラクが右を合わせ、ダウンを取ったようにも見えたが、レフェリーは腕で巻き込んだとしてスリップの裁定。

 3ラウンド2分過ぎ、コーナーに詰まったパスカルにツィエスラクの右がガードの合間にヒット。力なくコーナーにもたれかかったパスカルにカウント8が数えられる。ゴングに助けられたパスカルは4ラウンドも開始からツィエスラクの前に守勢に回り、右フックを食い、足をバタつかせながらコーナーに詰まる。

 ツィエスラクが右アッパー、左フックとパンチをまとめようとしたところでパスカル陣営がコーナーに上がって棄権を要請し、TKOとなった。敵地で殊勲の星を挙げた36歳のツィエスラクは28勝22KO2敗。20年1月にはWBC王者のイルンガ・マカブ(コンゴ)に挑戦し12回判定負け、22年2月にもWBO王者のローレンス・オコリー(英国)に挑み12回判定負けを喫しているなか、3度目の正直で戴冠した。

 今後はレギュラー王者のバドゥ・ジャック(スウェーデン)、休養王者のノエル・ミカエリアン(アルメニア)らとの対戦が期待される。一方、ここ5年間で3戦2勝1敗という42歳のパスカルは37勝21KO8敗1分1無効試合。完敗だった。

 セミファイナルは当初、WBCインターナショナル・クルーザー級タイトルマッチとしてWBC同級14位のオランレワジュ・ドゥロドラ(ナイジェリア/60戦50勝44KO10敗)と元WBCライトヘビー級シルバー王者のマーカス・ブラウン(米国/27戦25勝16KO2敗)戦が行われる予定だったが、両者計量もクリアして当日にローカル・コミッションの医療検診をドゥロドラがパスできず、試合が直前でキャンセルされた。

 ミドル級8回戦、WBC同級14位のパトリス・ボルニー(カナダ/163ポンド)はムポンダ・カルンガ(エジプト/160.4ポンド)を8回判定に下した(3-0/80-72が2者、79-73)。

 ゴングと同時に前に出るボルニーに圧されるようにサークリングするカルンガはパンチを返すものの見た目にもパワー不足は否めない。ボルニーのペースを崩せず、徐々にフットワークとクリンチワークに忙しくなるカルンガに対し、ブロックを軸にディフェンスするボルニーはポイントこそ重ねるものの追いかけるだけといった展開。ディフェンシブなカルンガを捕まえきれないボルニーがモタつきを感じさせるラウンドがVTRを見ているかのように続いた。

 7ラウンドはボルニーがダウン寸前まで追い込むものの詰めが甘く、ゴングに逃げられる。最終回、もはや逃げ切ることしか考えていないような戦いぶりを見せるカルンガに対してハッキリとヤマ場を作ることができずゴング。凡戦を終えている。3月、オースティン・ウィリアムス(米国)とのWBA米大陸ミドル級戦で12回判定負け、世界ランカー対決に敗れて以来の復帰戦で勝利した35歳のボルニーは20勝13KO2敗。プロ3戦目からカナダをホームとするカルンガは11勝3KO3敗となった。

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