29日昼、福岡県のホテルクラウンパレス北九州・ダイヤモンドホールで行われたボクシング興行「2024年度 西部日本新人王決定戦 feat. ORIOBOXING FIGHT Vol.15」で、西部日本新人王決定戦９試合を含む全13試合が開催され、メインの51.5kg契約８回戦は、吉田拓也（折尾）と椎名善聴（FLARE山上）が対戦。地元福岡でA級初戦を迎えた吉田が、３－０の判定勝ちをおさめた。スコアは77-75、78-74、79-73。

　ジャブの差し合いで静かな立ち上がりの中、吉田が前の手を使い自分の距離を作っていく。中に入りたい椎名は右スイングを放ちながら前進するも、吉田がステップバックでかわし軽いながらもワンツーの右や左ジャブをヒットしていく。

　中盤、椎名はプレスを強めて、右スイングやフックを当て始めるが、吉田はクリーンヒットを許さず、右を打ち返して相手の左目上をカットさせてポイントをピックアップ。「入ってくる相手だと分かっていたので、それを防いだ」という吉田は、終盤に組み合う場面を増やしながらも、椎名にインファイトを徹底してさせない。ジャブで距離を作っては連打を放ち優勢を印象付けながら、初の８ラウンドを完遂した。

　「もっと上に行くんで、これからもよろしくお願いします」とリング上から呼びかけた吉田は７勝２ＫＯ２敗。椎名は７勝４ＫＯ６敗。

　また、2025年度西部日本新人王決定戦では９試合が行われ、これで実施12階級の代表全員が決まった。

　最優秀選手には、狙い澄ました右強打で鮮やかに相手を沈め１回ＴＫＯ勝ちしたバンタム級、キック出身の手島和樹（ミサイル工藤）。技能賞はスイッチをするなど冷静に試合を組み立て２度のダウンを奪ってみせたライトフライ級、金城寿幸（沖縄ワールドリング）。敢闘賞は初回にダウンを奪い、４回にレフェリーストップを呼び込んで勝利したフェザー級、佐藤成貴（ビッグアーム）が受賞した。

　西部日本代表は10月５日に愛知県の刈谷市産業振興センターで、西日本代表との西軍代表決定戦への座をかけて中日本代表と戦う。《西村華江》

◇ミニマム級4回戦（西部日本新人王決定戦）
玉城　野里斗（WINNER）［TKO2回2分17秒］平野　琉喜亜（北島）

◇ライトフライ級4回戦（西部日本新人王決定戦）
金城 寿幸（沖縄ワールドリング）［TKO２回１分11秒］横山 大介（ウエスタン延岡）

◇フライ級４回戦（西部日本新人王決定戦）
工藤　晃大（ダッシュ東保）［3-0（39-37 39-37 40-36）］外村　悠翔（本田フィットネス）
※５月31日の試合

◇S・フライ級4回戦（西部日本新人王決定戦）
鶴丸 潤知（折尾）［3-0(39-37×３）］阿部 泰牙（ミサイル工藤）

◇バンタム級4回戦（西部日本新人王決定戦）
手島　和樹（ミサイル工藤）［TKO１回１分17秒］田平　義人（白銀）

◇S・バンタム級4回戦（西部日本新人王決定戦）
川添　仁（黒崎KANAO）［TKO４回１分37秒］田所　宣武（長崎ハヤシダ）

◇フェザー級4回戦（西部日本新人王決定戦）
佐藤 成貴（ビッグアーム）［TKO４回１分15秒］入江　寛大（竹原）

◇S・フェザー級4回戦（西部日本新人王決定戦）
仲里　健太（WINNER）［［T D１回2分34秒］］新城　強（オキナワ）

◇ライト級4回戦（西部日本新人王決定戦）
樋口　絹真（北島）［3-0(39-36×2 38-37）］安藤　謙（FUKUOKA）

◇S・ライト級4回戦（西部日本新人王決定戦）
野上　一馬（本田フィットネス）［2-0(39-37×2 38-38）］小田　浩輝（折尾）

◇ウェルター級4回戦（西部日本新人王決定戦）
知念　雄飛（琉球）［試合中止］片岡　一平（本田フィットネス）
※５月31日、片岡の棄権により知念が代表権獲得

◇ミドル級
ティラー海（本田フィットネス）
※エントリー１名のため、代表権獲得

◇62.5kg契約４回戦
ベジータ石川（折尾）［負傷判定４回3-0（40-36×２ 39-37）］山口　拓也（ワールド日立）
　38歳石川と39歳山口の戦いは、バッティングによる山口の左頭部の腫れにより４回途中で中断。ポイント勝利を収めた石川はリング上で「やっと勝てたんで辞めようと思う」と引退宣言をした。

◇52.7kg契約４回戦
藤崎　巧巳（博多協栄）［3-0（40-36 39-35 38-36）］菊池　珠吏（YUVAX）

◇51.5kg契約４回戦
花田　律生（折尾）［3-0（40-36 39-37×２）］河上　竜之（FUKUOKA）

観衆＝600人