同一興行で2人のボクサーが試合後に死亡する事故が起きたのを受け、日本プロボクシング協会と東日本ボクシング協会は20日午後都内で合同の緊急理事会を開催し、閉会後に小林昭司協会長らが記者会見に応じた。
会議ではいろいろな意見が出たが、はっきり決まったのは次の一点――KOされたボクサーはルールで試合後90日間経過しないと次の試合に出場できないが、現実には60日経過した時点でCT検査を受け、異常がなければ、試合サスペンド期間を短縮できることになっている。しかし今後はこの特例を廃止して「90日ルール」を厳守することにした。またKO負けではなくても、深刻なダメージを負った選手にこのルールを適用することにも前向きになっている。
この他、試合前日に行われている公式計量後のリバウンドの問題で、12日のコミッションとの合同会議では、試合当日の計量で前日計量時の体重より10%以上増えた選手に対し、強制的に転級命令を出すとしたが、これについて「無理に10%以内に抑えて、脱水状態のまま試合をする選手が出る」との異論も出た。またリング禍に繋がると一部で注目されている「水抜き減量法」についても、このやり方で成功している選手もいることから、規制の意見は大勢を占めていない。今後協会主催の試合(新人王戦など)に出場する選手のデータを集めて検証した上で実施するかどうかを決めることになった。
今回の事故の直後にコミッションはアジアタイトル戦(ОPBF、WBOアジアパシフィック)を12回戦から10回戦に短縮することを決め、これは即実施されている。これに加え、日本タイトルも8回戦にすべきだという意見も出たが、この案に対しては12回戦制の世界タイトル戦を前に10回戦を経験する必要性を考慮して現状維持の意見が多かったようだ。
なお柳光和博健康管理委員長が明かしたデータによると、この2年半の間に協会加盟ジムの会員6人が開頭手術を受け、1人はスパーリングで死亡しているという。業界内で危機意識も高まり、「事故をゼロにするのは難しいが、ゼロに近づけるよう、協会、コミッション、世界のボクシング界で考えて行かなければいけないと思います」と柳光氏は語っている。
