21日、後楽園ホールのセミファイナルで行われたWBOアジアパシフィック&日本ウェルター級タイトルマッチ10回戦は、WBO—AP1位で日本王者セムジュ・デビッド(中日)がWBO—AP8位で日本11位の野上昂生(大橋)に8回2分58秒TKO。日本王座3度目の防衛に成功し、WBO—AP王座を獲得した。
サウスポーの野上が左ストレートをボディーに差せば、セムジュは上体を先に前に倒し、遅れて出す右を返す。野上の左をかわし、右からの左フックを狙うセムジュだが、野上の圧を感じたか、王者もめずらしく力んで打ち返し、バランスを乱すシーンが目立つ。3回、至近距離で野上が左を決めると、セムジュは大きくよろめいて、かろうじてダウンを逃れる。セムジュのリズムの悪さがここまでは目についた。
野上が距離を詰めてフィジカルパワーを生かせば、5回にはセムジュがコンパクトな左右をヒット。しかし野上も左から右フックでセムジュの動きを一瞬止めてみせた。6回、野上が右フックをテンプルにヒットしてダメージを与えるが、セムジュは近距離で左右ショートフックをヒット。野上の消耗が目につき始めると、セムジュはなおもショートブローを的確に当てて野上の攻撃を寸断し始めた。
そして迎えた8回、左ボディーアッパーから右フックの強打を狙う野上をかわし、セムジュが連打をヒット。後退する野上を歩いて追うセムジュがさらに追撃を連続して当てるとレフェリーが野上の体を抱えた。
野上は瞬間的にダメージを与える場面を何度も作ったが、決定的なあと一打を打たせずに、野上に残る力を削り取っていったセムジュの巧者ぶりが勝利を引き寄せた。セムジュ(32歳)は9勝5KO1敗。善戦したものの初黒星となった野上(24歳)は4勝2KO1敗。
■大器坂井デビュー5連続KO
日本ユース・バンタム級王者で日本10位の坂井優太(大橋)が54.5kg契約8回戦でヤン・チュンファ(中国)を5回2分47秒KO。しぶとい相手を丁寧に切り崩した。
前傾から右ジャブ、ステップ&スウェーでリズムを作る坂井は、左ストレートと左アッパーでヤンに手を出す隙を与えない。が、2回、坂井の速い動きに臆せずにヤンが前に出て右ショートアッパーをヒット。ヤンはプレスを強めるが、坂井はステップでいなし、左アッパーを上下に突き刺した。
気圧されず相打ちを狙うヤンに対し、坂井は右ジャブを起点に軌道とタイミングを変えた左を当て続ける。そして5回、左ストレートをヒットするとヤンは左目を痛めた様子で後退。それを見て取ったヤン陣営がダウンすると同時にタオルを放って棄権を示した。坂井(20歳)は5勝5KO。ヤン(歳)は6勝3KO2敗1分。
日本ユース・ミニマム級タイトルマッチ8回戦は、王者・北野武郎(大橋)が松本磨宙(泉北)とのサウスポー対決に圧勝。3回1分58秒TKOで下し、初防衛に成功した。
軽やかにリング内を跳ねる北野は初回、右フックを狙う松本に右フックをカウンターして効かせ、打ち下ろしの左で2度ヒザを着かせる。2回に入ると悠然と構えた北野は、左クロスを狙う松本をしっかりと見定めて狙い打ち。3回、右フックの連打から左、追撃の強烈な右フックで倒すとレフェリーが試合を止めた。
日本5位で世界ランクにも名を連ねる(WBA7位、WBC11位、IBF13位)北野(21歳)は9勝4KO1分。松本(23歳)は6勝2KO3敗。
54.0kg契約8回戦は田中湧也(大橋)がリュー・チェン(中国)に4回1分24秒TKO勝ちした。スタンスを広く取るサウスポーの田中がシャープな右ジャブを連続ヒット。リューは上体を上下させながら右を狙うが、これをかわす田中は左アッパーを上下に差しながら右へ回り込む。
3回、攻撃を強めた田中が左ストレートでリューの右目上を切り裂くと、続く4回に強烈なワンツーを立て続けに決めてレフェリーストップに持ち込んだ。田中(26歳)は6勝4KO1敗。初のKO負けとなったリュー(26歳)は3勝4敗3分。
◇ライト級4回戦
松永敦朗(パンチアウト)[引き分け1-1(39-37、37ー39、38-38)]ティラメント・ボーエン(沖縄ワールドリング)
