グランシップ静岡の興行では木村―リ戦を含め8回戦6試合が行われたが、この日唯一タイトルの懸かった一戦はWBO女子アジアパシフィックL・フライ級王座タイトルマッチ。王者の池本夢実(琉球)が出身県のリングに上がり、挑戦者ナッタナン・サンギアムチット(タイ)を5回45秒TKOに撃退。昨年7月に沖縄で獲得したベルトの初防衛に成功した。
立ち上がりからチャンピオンは積極的に手を出し、プレッシャーをかけたが、クリーンヒットは少ない。対して挑戦者は手数が少なく、4回に池本に連打されたところでダウン。「何が当たったか覚えていない」と倒した池本が言うほどだったが、2度目のダウンは右が決まったもの。挑戦者は立ち上がって終了ゴングに持ち込んだが、次の5回に倒れ力尽きた。
池本は「防衛は初めてなのでうれしい」。出身地静岡の試合は2度目になるがとても緊張すると語った。故郷でゆっくりと疲れを癒す間もなく翌朝沖縄に戻るというチャンピオンのもうひとつの顔は、沖縄県警の警察官である。忙しい中でも週に5日は練習を続けており「世界を目指したい」とモチベーションも高い。
池本(29歳)はこれで戦績を10勝2KO2敗とした。敗れたナッタナン(28歳)は8勝8KO4敗2分。
■富岡がビセレスを逆転
S・フェザー級の元日本ランカー、湯川成美(駿河男児)はフィリピンのベテラン、ジェオ・サンティシマに6回1分24秒TKO負けを喫した。左ジャブの差し合いからスタートしたが、老獪なサンティシマに打ち終わりを狙われ右を被弾。3回はジャブをビシビシ決めてペースを奪回したかと思えたが、老獪なサンティシマに打ち終わりを狙われた。サンティシマがばてる終盤の反撃が期待されたものの、6回にサンティシマが攻撃のギアを上げ、しつこく手を出すと、湯川は防戦一方となり、ストップがかかった。勝ったサンティシマ(29歳)は26勝22KO8敗。湯川(30歳)は8勝7KO4敗に。
日本フェザー級ランキング下位同士の対決となった14位英洸貴(カシミ)-15位岩下千鉱(駿河男児)戦は、地元期待のサウスポー岩下が3回9秒TKO勝ち。元ユース王者の英に得意の左ストレートを決めて倒したところで主審がストップした。岩下(29歳)は9勝6KO1敗1分。3連敗の英(26歳)は14勝6KO6敗5分。
次のフライ級戦はこの日一番の番狂わせ。トレーナーから現役復帰し世界ランクもWBOの7位を含む3団体でランクされるマーク・ビセレス(駿河男児)が日本10位の富岡浩介(RE:BOOT)に7回1分38秒逆転のTKO負けを喫した。
サウスポー同士の対戦。立ち上がりはビセレスの伸びのいい左ストレートが決まり、2回にはこのブローで富岡からダウンを奪った。しかし富岡もここは応戦しながらピンチ脱出をはかり、その後はビセレスの左をうまく読んで外すようになり、ペースを掌握していく。4回には右目上をカットしドクターチェックを受けたが、7回には逆転のダウンを奪い、なおも猛攻すると、レフェリーストップがかかった。
世界ランカーをくう殊勲をあげた富岡(23歳)は「チームと応援にきてくれたみんなのおかげ」と感激していた。10勝8KO4敗。敗れたビセレスは(29歳)はこれが2度目の黒星(20勝11KO)。
セミのフライ級は、三島市出身の日本9位佐野篤希(伴流)が登場。エンリケ・マグサリン(比国)に3-0判定勝ちを飾ったが、内容は凡戦。終始後退を続けながら迎撃作戦のマグサリンに対し、サウスポーの佐野は追いかけ続けたものの決定打を決めることができず。両者が手を出し合ったのは最終回だけだった。スコアは80-72、79-73、78-74とフルマークとつけたジャッジもいて全員が佐野の勝ち。佐野(22歳)は8勝4KO負けなし、マグサリン(30歳)は11勝1KO8敗2分の戦績となった。
