9日、東京・後楽園ホールで開催された『フェニックスバトル142』のメインイベント、OPBF東洋太平洋ミニマム級タイトルマッチ10回戦は、チャンピオンの石井武志(大橋)が挑戦者8位・ジェイク・アンパロ(フィリピン)に98-91、98-91、99-90の3-0判定勝利。2度目の防衛に成功した。
間合いを詰めてワンツーから左ボディーブローを叩きつける石井。アンパロは左ジャブを放ち、低い姿勢の石井に左右アッパーを狙う。3回、テンポアップしたアンパロは攻防ともになめらかに動いてリズムを作るが、石井は左ボディーブローを要所で決めて、アンパロにペースを渡さなかった。
4回終了後の公開採点は38-38、39-37、39-37で石井がリード。ここを境目に、アンパロに疲労が見え始め、石井が左ボディーアッパーからワンツーへつなぐ攻撃が目立ち始める。石井のボディー攻撃がじわじわと奏功してきたのだろう。
8回、声を出しながら力強い攻撃を再開したアンパロだったが、石井はしっかりとしたガードで対応し、やはり左ボディーでアンパロをリード。この回終了後の2度目の公開採点で78-74、78-74、79-73と差を広げた石井は、最終回に左ボディーでダウンを奪うと、スリップを主張し不満顔のアンパロを、冷静に最後まで攻め続けた。
「無理に倒しに行かずに、10ラウンド戦って勉強する練習もしていた。技術でも勝てるように練習していて、そこはちょっとずつ進歩しているように思う。あとは、いつも通りフィジカルで勝てた」と石井。強い下半身でしっかりとバランスを取り、空振りさせられても冷静に攻防を立て直す落ち着きが光った。
現在、4団体で世界ランク入り(WBA4位、WBC&IBF7位、WBO11位)もする石井。14日に高田勇仁(ライオンズ)と松本流星(帝拳)の間で争われるWBA王座決定戦(名古屋・IGアリーナ)も大いに気になるところだが、「自分らしくコツコツ、一歩一歩近づいていければ」と殊勝な言葉を残した。石井(25歳)は11勝8KO1敗。アンパロ(28歳)は16勝4KO8敗1分。
■帰国初戦の木谷がランカー龍王を破る
セミファイナルのS・フェザー級8回戦は、メキシコで11戦後、帰国して日本のジム所属となった木谷陸(KG大和)が、OPBF3位・日本4位の龍王(旧リングネーム中井龍=角海老宝石)に5回1分34秒TKO勝利した。
初回、右フックで龍王をグラつかせた木谷。サウスポーの龍王は右ジャブを使いながら右へサークリングしていくが、木谷の圧力が強く、なかなか左の攻撃へとつなげない。木谷はフックを振って龍王にダッキングさせてショートアッパーを合わせたり、右ストレートをエサに龍王を反応させて、続く左ボディーアッパーを差したりと、駆け引きの上手さも披露した。
3回、木谷の左フックで右目下が腫れた龍王は、続く4回、バッティングで左目上をカットし苦しい展開に。この局面を打開すべく、ようやく自分から攻撃を仕掛けた龍王だが、木谷はシャープな右ショートと左ボディーブローを的確にヒット。5回、木谷の左フックが龍王の顔面を痛打すると右目下の腫れがひどくなり、ドクターチェック後に試合はストップされた。
木谷(24歳)は9勝4KO3敗。リングネーム変更初戦を飾れなかった龍王(27歳)は11勝6KO3敗1分。
■ライト級新鋭対決、本多と大胡はドロー
注目の新鋭対決となったライト級6回戦は、日本12位の本多俊介(E&Jカシアス)と大胡晴哉(吉祥寺鉄拳8)が1-0の引き分けに。ジャッジ一者が58-56と本多を支持したものの、残る二者は57-57とした。
柔軟な出入りから連打をガードの上に叩きつけて好スタートを切った大胡だが、本多は長い腕を使ったブロッキングでじりじりと間合いを詰めて右ストレートをヒット。
3回、大胡が連打して仕掛け白熱ムードも、本多は右ストレートと左フックでボディーを攻める。大胡は下がりながら本多を呼び込んでカウンター狙いにシフト。本多はブロッキング、大胡は小さなボディーワークと互いに防御が優れてクリーンヒットを奪わせない。だが、最終回、プレスを強めた本多が左フックと右をヒット。疲労も窺えた大胡はクリンチに逃れてしのぎ切った。
見栄えよいブローと手数の多さで大胡、手数は少ないながら単打を着実にヒットした本多。互いに自分が欠くものを相手が持っており、この試合をどう受け止めるかで、今後の伸びが大きく変化するだろう。本多(25歳)は8勝3KO1分。大胡(19歳)は2勝1KO1分。
■中垣は森をコントロール
S・フライ級8回戦は、日本13位の中垣龍汰朗(大橋)が押し引きのバランスよく戦って森大悟(ミツキ)を7回2分1秒TKOで下した。
右ジャブとクイックなフェイントを使いながら左ストレートを狙うサウスポーの中垣。その左打ち終わりに右を狙う森。2回、右ジャブと右足の連動でリズムをつかんだ中垣は、ステップバックで森の攻撃をかわしざま、鋭く強い左ストレートをヒット。森の入り際に左ボディーアッパーを合わせる。
4回、森がラフな左右を振って反撃に出るが、中垣はアームブロックとボディーワークでこれを防ぎ、ボディーカウンター。回を追うごとにいっそう一撃狙いになる森に対し、中垣は冷静にかわしながら右フックもまじえた的確なヒットを奪い続けた。
鼻血を流し、左目が腫れた森に、中垣が7回に左ボディーアッパーを突き刺すと、森はくの字に体を折る。ここでレフェリーが即座に割って入った。中垣(25歳)は6勝4KO2敗2分。森(27歳)は6勝2KO6敗1分。
◇フェザー級6回戦
山川健太(大橋)[KO3回31秒]ハンマー タク(岐阜ヨコゼキ)
◇ヘビー級4回戦
星龍之介(大橋)[TKO2回30秒]武中秀武(大鵬)
◇ライト級4回戦
竹澤大治郎(大橋)[判定2-0(39-37、39-37、38-38)]食いしん坊ぉ将太(UNITED)
