明後日14日(日=愛知県名古屋市・IGアリーナ)に迫ったトリプル世界タイトルマッチの記者会見が12日、名古屋市内で行われ、一堂に会した6選手と陣営がそれぞれの思いや試合に懸ける意気込みを語った。Photos/Naoki Fukuda
国内では首都圏(東京・神奈川・埼玉)以外で初の試合に臨む世界4団体S・バンタム級王者・井上尚弥(大橋)は、名古屋駅構内に大々的に流れる告知映像等に迎えられ、「こういったプロモーションは力になる。名古屋での初めての試合は楽しみです」と喜色満面だ。
ボクシング開催は初めてとなるIGアリーナ(愛知国際アリーナ)に用意された1万7000席は、チケット発売とほぼ同時に完売。Leminoでの配信に加え、全国の映画館でのライブ上映も決まり、日曜日の日本はこの“ナオヤ・イン・ナゴヤ”一色に染まる勢いだ。
「すごい想いでトレーニングを積んで、いつも以上の気持ちを持って、精神的に追い込んできた」手応えをしっかりと握りしめている。それゆえ、変に力むことなく言葉もなめらかに出る。海外メディアから、ここ1年で2度ダウンを喫したことについて訊かれると、「なぜそうなってしまったか、重々承知している。そういった経験をしたからこそ、プラスに変え、それを生かして戦う」と冷静に返し、「どんな形でも、どんな内容でもしっかり勝ちにいく」と、試合決定から首尾一貫した決意を表明した。
また、日本時間同日に、ラスベガスで4団体S・ミドル級王者サウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)vs.元2階級4団体王者テレンス・クロフォード(米)戦が開催されるが、「昼間にあるその試合はとても興味深いけれど、自分自身の試合がもっと楽しみ。パウンド・フォー・パウンドにふさわしい試合をしたい」と、ライバル心もチラリとのぞかせた。
「この試合を2年間待ちわびていた。すべてのラウンドで出し切って、立派な戦い方をして勝つ」。元2団体王者で現・WBA暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)は、黒いサングラスをかけたままで目力こそ読めなかったが、あらためて自らに言い聞かせるように実直に表した。
「MJはウズベキスタン初の統一王者。今回勝てば、さらに初めての4団体チャンピオンとなる。同国からのサポーターも駆けつけるし、テレビの前でもたくさんの国民がこの試合を見ることになる」とロシア出身で米国在住のバディム・コルニコフ・マネジャー。これを受けて、アフマダリエフも「歴史をつくる」と力を込めた。
「この先50年100年と、『凄まじい戦いだった』と語り継がれる試合に」と大橋秀行会長が期待を込める通り、両雄ともに相手の強さを認め、敬意を持った上でのやり取りに終始。会見、写真撮影終了後、アフマダリエフから尚弥、大橋会長、井上真吾トレーナーに民族衣装が贈られて、場はいっそう和やかになった。
セミファイナルで3度目の防衛戦に臨むWBO世界バンタム級王者・武居由樹(大橋)は「この先のことはまったく考えていない。チャンピオンとして格の違いを見せる試合、武居由樹らしい試合をしたい」とKO宣言。アフマダリエフと同じく、色の濃いサングラスをかけた指名挑戦者クリスチャン・メディナ(メキシコ)は、「ニシダ(西田凌佑=六島)に負けた後、2倍3倍のトレーニングを積んできた。私は今が旬。必ず勝つ」とコメント。写真撮影後にガッチリと握手を交わした。
世界戦の先陣を切るWBA世界ミニマム級王座決定戦に向かう1位の高田勇仁(ライオンズ)が「長いボクシング人生でやっと巡ってきたチャンス。カッコつけず、ジム初の世界チャンピオンになる」と鋭い眼差しを送れば、2位の松本流星(帝拳)は「夢がかなう日が近づいてワクワクしてる。7戦目と早い挑戦だけど、その期待に応えたい」と力強い声量で答えた。
