元日本バンタム級チャンピオンの西村貴晴さんが11月11日に沖縄県恩納村の自宅で亡くなっていたことが分かった。死因は肺がん。まだ64歳の若さだった。
西村さんは長崎県出身。20歳で金子ジムからデビューし、1983年12月、後の日本王者丸尾忠(協栄)とのホープ対決に10回を戦って判定で制しランキング上位に浮上。84年11月、同じ長崎出身のチャンピオン、強打の今里光男(トーアファイティング)に挑み、5回KOに沈めて日本バンタム級王座に就いた。
しかしタイトルを手にして3ヵ月とたたずしてアウェイの大阪に出向いた初防衛戦で杉本光一(グリンツダ)に小差判定負けを喫し無冠になると、これを最後に引退。終身戦績は14戦10勝4KO4敗だった。
西村さんの試合スタイルは、金子ジムの主流らしい正統派のボクサー型で、右ストレートが得意だった。早すぎる引退は「(ジムの先輩だった)村田英次郎さんでも世界を獲れなかったのだから自分も無理だろうと思ったそうです」とは妻の佳子さんの証言。
「ボクシングは自分がする以外は関心がなく、自分からチャンピオンだったとも言わない人でした」と佳子さん。二人が交際を始めた時、西村さんは3勝3敗の6回戦ボーイ。その後は最後の杉本戦以外は負け知らずだったという。
引退後は東京でコンピューターのシステムエンジニアとして働いていた西村さん。夫婦ともども海が好きだったことから、23年前に家族で沖縄に移住し、同じ仕事を続けていたという。
