「この悲しい姿で会見させてもらいます」
17日のWBA世界バンタム級王座統一戦で暫定王者ノニト・ドネア(米国)を破り正規王座を守った堤聖也(角海老宝石)が18日午後、都内の所属ジムで一夜明け会見に臨んだ。
治療に時間がかかり約30分遅れで会見の場に到着した堤は、激闘のあとを物語るように顔全体が晴れ上がり、見るからに痛々しい。特にドネアの強打を浴びて骨折した鼻は、回復を早めるため医者からサングラスをしないように勧められているという。痛みがひどく、笑うと顔の筋肉引きつって鼻の苦痛が増す。「笑わせないで」と言いながら苦痛に耐えていた。さらに鼻血が出て会見が中断する場面も。こんな痛々しい勝者の一夜明け会見も珍しい。
これまでも「負けたら終わり」の覚悟でリングに上がってきた堤。5階級制覇の元チャンピオンに勝ったいまの気持ちを「生き残れたな」と表現した。
「終盤になってもパンチが死んでいなかった」「もっと殴りにいかなければならないのに、させてもらえなかった」と改めてドネアの強さを振り返り「レジェンドと戦えて光栄。(引退後に)振り返った時にもこの試合のことは心に残るだろうし、すごい財産だと思う」と言い切った。
しばらくは休養につとめるが、郷里の熊本にも帰る。「銀にも会いに行きます」と、試合の事故で引退した重岡銀次朗さん(元WBA世界ミニマム級王者)を見舞いに行くことも明らかにした。銀次朗と兄優大の重岡兄弟は同じジムでボクシングを始めた頃からのジムメート。試合で着用したガウンには「そばにいてほしい」と二人の名が刻まれていた。
次戦については、来年5月頃に現在休養チャンピオンのアントニオ・バルガス(米国)との統一戦が濃厚だが、一番対戦したい相手はと聞かれて「井岡(一翔)さんです」と、もう一人のレジェンドの名を上げた。大晦日に予定される井岡のバンタム級転向第一戦も会場(東京・太田総合体育館)で観戦する予定という。
