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38年前のきょう統一戦の先駆け 渡辺二郎がパヤオ下しWBAとWBCを“事実上”統一

2022年7月5日 8時57分

 統一戦はいまや時代の流れだが、それが珍しかったいまから38年前の1984年7月5日、WBA・J・バンタム級王座を6度防衛していた渡辺二郎がWBC王者パヤオ・プーンタラット(タイ)との事実上の統一戦に挑んだ。「事実上」と書いたのは、当時のWBAが統一戦を認めず、渡辺が挑戦者としてパヤオに挑んだからだが、これが王者と王者が争う統一戦であったことは間違いない。

クロスファイトとなった渡辺(右)とパヤオの一戦

 沸き上がる大阪城ホールで始まった試合は、関西初の世界王者である渡辺がパヤオとの技術戦に苦しい展開を強いられた。前半はリードを許してしまった渡辺だが、これで終わるような渡辺ではなかった。後半に入るとパヤオを猛追し、終盤はWBC王者を追い詰める。最終回には怒涛とラッシュを見せてゴールテープを切った。

 読み上げられたスコアは117-112、115-113で渡辺、116-115でパヤオで、渡辺がクロスファイトを制し、2本目のベルトを腰に巻いた。試合翌日の日刊スポーツには「ド根性大逆転」、「渡辺オレが世界一」の見出しが躍った。

 WBA王座をはく奪され、WBC王者となった渡辺は同年11月、第1戦の判定に不服を申し立てたパヤオとのダイレクトリマッチに11回TKO勝ち。ライバルとの争いに完全決着をつけた。

 渡辺はこのあと4度の防衛を成功させ、世界タイトルマッチ12連勝をマーク。V4戦はアウェーの韓国でベルトを守った。サウスポーから繰り出す強打とテクニックで一時代を築いた渡辺にとって、パヤオとの2戦は全盛期で迎えた大舞台。日本ボクシング史の中でも歴史的な試合となった。

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