無罪を訴え続ける元プロボクサー、袴田巌さん（88）のやり直し裁判（再審）で、来週26日に判決が言い渡される前に、袴田さんの無罪と再審法改正を訴える「今こそ変えよう！ 再審法～カウントダウン袴田判決」（日本弁護士連合会、再審法改正をめざす市民の会主催）が20日、日比谷公園大音楽堂（日比谷野音）で開かれた。

　集会には主催者発表で2500人が集まり、袴田さんの姉、ひで子さんも参加した。ボクシング界からは袴田巌支援委員会の新田渉世会長、元世界王者の飯田覚士さん、元プロボクサーで袴田さんの漫画を描いた森重水さんが袴田さんの無罪を訴えた。

　飯田さんは「袴田さんが犯人にされたのはボクサーに対する偏見があった。そこに怒りを覚えて支援活動に参加しました。ただ、当時の警察、検察に腹が立っているかといえばそうではない。いまの検察官、裁判所がしっかり見直して、やっぱり間違っていたなと、しっかりした判決を出してほしい。そして判決が出たあと、もう再審が続くことがないように願っています」と再審無罪、そして検察が控訴しないようにアピールした。

　集会は第1部で支援者が袴田さんへの応援メッセージを送り、第2部は再審法改正のトークショーが行われた。司会はフリーアナウンサーの古舘伊知一郎さん、パネリストに映画監督の周防正行さん、衆議院議員の稲田朋美さんらが参加した。

　事件発生から58年、強盗殺人放火などの罪で死刑判決を受けた袴田さんの裁判は昨年10月にやり直しの裁判（再審）が始まり、5月に審理が終了。26日に静岡地裁で判決が出る。無罪判決が出た場合、検察はこれを不服として控訴できるが、弁護団や支援者らは絶対に控訴を許さないとアピールしている。