June
03
Tuesday

ボクシングニュース | ボクシングビート編集部制作

share

18°C Clouds
Tokyo

Home > Match Information > 寺田龍覇が初黒星から再起 ベテラン葉月さなも勝つ 福岡・香春町の興行

寺田龍覇が初黒星から再起 ベテラン葉月さなも勝つ 福岡・香春町の興行

2025年6月2日 9時12分

 1日昼、福岡県田川郡の香春体育センターで行われたボクシング興行「ボクサーズロードVol.3」で、西部日本新人王戦5試合と女子1試合を含む全10試合が開催され、メインの65.0kg契約8回戦では、寺田龍覇(白銀)とアヌソン・トーンルエン(タイ)が対戦。寺田が3回2分21秒TKO勝ちをおさめ地元で再起を果たした。また、元OPBF東洋太平洋女子ミニマム級王者の葉月さな(白銀)が、ピーヤラック・セーンポーグラーン(タイ)との47.0kg契約6回戦で3−0の判定勝ちをおさめ、約1年ぶりとなる日本での試合で再起を果たした。スコアは59-55、60-54、60-54。

 試合前には、4月27日に急性肺炎のため逝去した旧筑豊ボクシングジム会長・井上通文氏(享年75)に対し、テンカウントゴングで黙祷が捧げられた。日本フェザー級王者・平仲信敏(元WBA世界S・ライト級王者の平仲明信は兄)、OPBF東洋太平洋ライトフライ級王者・和田峯幸生、9試合連続初回KO勝利をし「筑豊のタイソン」と呼ばれた丸山大輔などを輩出し、九州のボクシング発展に尽力した。《西村華江》

30戦目のアヌソンを沈めた寺田

◆65.0kg契約8回戦
寺田龍覇(白銀)[TKO3回2分21秒]アヌソン・トーンルエン(タイ)

 サウスポー寺田は前の手の角度を少しずつ変えながら距離を測り、左を上下に放って前進していく。先手をとりながらペースを掴みにいくも、どっしりと構えたアヌソンは寺田の左ストレートに際どいタイミングで右アッパーを突き上げる。

 2回、タイ人は寺田の入り際に速い左フックを合わせてダウンを奪う。が、寺田は焦らず、左右ボディー連打から左フックやストレートを放ちタイ人の追撃を許さない。

 3回、アヌソンは伸びやかな右ストレートやキレのある左フックで攻撃を強めてくるも、立て直しに成功した寺田は、「作戦として練習してきていた」という左ボディーストレートを起点に、左右ボディーフックから上へのパンチに繋ぐコンビネーションでタイ人をコーナーに詰めると、渾身の左ボディーフックでダウンを奪い返す。再開後、左右上下と厚みのある攻めから、今度は左ボディーアッパーで仕留め試合を終わらせた。

 「練習してきたことを出せてよかった」と試合直後に涙をみせた寺田は、7勝3KO1敗3分。アヌソンは、21勝16KO8敗1分。

再起を果たしたベテラン葉月

◆女子47.0kg契約6回戦
葉月さな(白銀)[判定3-0(59-55、60-54、60-54)]ピーヤラック・セーンポーグラーン(タイ)

 「世界にアピールするために倒したかった」という葉月は、右ストレートを上下に放ち、初回から積極的に攻めていく。が、2階級上の痩身長躯のピーヤラックは、上手くパンチをかわしながら、時折コンビネーションで反撃をしていく。それでも、プレスをかけ続ける葉月は、左右ボディーから右ストレート、左フックと攻めて手を休めない。

 タイ人は軽いながらも左フックをヒットさせ、右カウンターを狙っていくが、葉月が上手く相手の懐に入り込んでは右アッパーのダブルや左フックをヒットしポイントをピックアップし、ペースを死守していった。葉月は「ボディー攻撃で弱らせて、最後にダウンを奪う」ことを目指し終始攻撃し続けたが、最後は逃げることに執心したタイ人を捕らえることは叶わなかった。

 「階級の差を感じた」と悔しさを滲ませたものの、アトム級で世界を目指すと意欲を示した葉月は、13勝6KO10敗1分。ピーヤラックは、9勝6KO5敗。

永田は3回TKO勝ち

◆フェザー級6回戦
永田裕真(白銀)[TKO3回2分7秒]タナポン・スィオーンラム(タイ)

 永田は左ジャブから右ボディーストレートでペースを掴むも、狙い過ぎてしまい手が出ずに、タナポンの左ストレートを時折浴びてしまう。が3回、永田は右ストレートからの左フックで一気にタイ人をコーナーに詰めると、相手のガードを割って右ショート、続けて左ボディーフックを叩き込みダウンを奪取。倒れ込んだタイ人は起き上がれずにカウントアウトされた。

見ごたえのある4回戦となった藤澤㊨-児島

◆60.0kg契約4回戦
藤澤孟則(冷研鶴崎)[TKO3回1分58秒]児島弘斗(黒崎KANAO)
4回戦とは思えないダイナミックでハイレベルな攻防戦を披露した両者。ともに防御感とそのテクニックが優れているため、パンチが交錯することが少ないが、両者の思惑のぶつかり合いが観客を釘付けにする。均衡が破れたのは3回。サウスポー藤澤が鋭い踏み込みから放った左スイングで、児島がロープの外に出るダウンを喫する。再開後、藤澤はダメージの濃い児島に左のショートをダブルでアゴへ強打し再びダウンを奪い、息を呑む闘いに終止符を打った。

◆58.0kg契約4回戦
有森八雲(博多協栄)[TKO3回1分9秒]河端貴斗(宇部ボクシングスクール)
◆S・バンタム級4回戦 ※西部日本新人王戦
川添仁(黒崎KANAO)[判定3-0(38-37×3)]横山隼人(白銀)
◆バンタム級4回戦 ※西部日本新人王戦
手島和樹(ミサイル工藤)[TKO1回2分7秒]井上雄辰(宇部ボクシングスクール)
◆バンタム級4回戦 ※西部日本新人王戦
田平義人(白銀)[TKO1回終了]伊藝竜太(島袋)
◆フェザー級4回戦 ※西部日本新人王戦
佐藤成貴(ビッグアーム)[引き分け1-0(39-37、38-38×2)]満生敦巳(オキナワ)
◆S・フェザー級4回戦 ※西部日本新人王戦
新城 強(オキナワ)[TKO1回2分46秒]米須仁志(島袋)

観衆=750人

Related article
関連記事
モバイルバージョンを終了