元ＷＢＣミドル級王者のフリオ・セサール・チャベスJr（米）が現地時間３日、米国の移民・税関検査局（ＩＣＥ）に逮捕された。米国国土安全保障省（ＤＨＳ）が発表した。チャベス（39）は先月28日、カリフォルニア州アナハイムでユーチューバー・ボクサー、ジェイク・ポール（米）とクルーザー級10回戦を行い判定負け。ロサンゼルス近郊スタジオシティの自宅近くにいるところをＩＣＥの捜査で拘束された。

　逮捕容疑はメキシコの麻薬組織「シナロア・カルテル」との関係で、銃器などの密輸容疑で逮捕状が出ていたという。ドナルド・トランプ大統領はＩＣＥによる不法移民の取り締まりを強化しており、米国各地で反対デモが発生。ＩＣＥはチャベスJrを「重大な公共安全上の脅威」と判断。逮捕に踏み切ったとしている。また昨年、チャベスJrは移民局に永住権を申請していたが、申請書に虚偽の記述があったともいわれる。

　ＤＨＳは声明で「トランプ大統領の下では誰も法の上にいない。世界的に有名なアスリートでも例外はない」と通達した。またチャベスJrの妻がカルテルの重要人物の家族の一員だという報道もあり、二世ボクサーは窮地に追い込まれている。