現地時間23日、米フロリダ州オーランドのカリベ・ロイヤル・オーランドにてMVP(モスト・バリュアブル・プロモーションズ)がWBA暫定と女子のマルチタイトル戦を開催した。メインイベントはWBAフライ級暫定王座決定戦。これがMVPとの契約初陣となった同級1位のヤンキエル・リベラ(プエルトリコ/111.6ポンド)と同級2位のアンヘリーノ・コルドバ(ベネズエラ/111.4ポンド)の一戦は12回ドローに終わった。スコアはジャッジ1人が115-111でコルドバにつけたものの、残る2人が113-113だった。
スタンスを広く取るサウスポーのリベラに対し、コルドバがワイルドな左右フックを混ぜながらスタート。初回からルイス・パボン(プエルトリコ)レフェリーがコルドバに対しラビットパンチを注意すれば、リベラもレスリング行為でコルドバを投げ飛ばす。その後も互いに空振りが多く、揉み合いやバッティングもしばしば起こる展開。4ラウンドには偶然のバッティングでリベラの左まぶたから出血が見られた。
しかしこの回終盤、リベラが左フックを巻き込みコルドバがキャンバスにゴロンとダイブするとレフェリーはダウンと裁定。両手を振って抗議するコルドバ。5ラウンドはボディーが効いたか、リベラはクリンチに終始しコルドバがポイントをあげた。6ラウンド、たびたび注意を受けていたラビットパンチによりコルドバが減点1を科される。8ラウンドはバッティングでリベラが鼻から出血。再開後にレフェリーはコルドバのコーナー(チーフはイスマエル・サラス・トレーナー)に対し、批判的な言動を注意するなど、相変わらず大荒れだった。
11ラウンドにコルドバの右でグラついたリベラだがクリンチでピンチを脱出。最終回は距離を取りながらクリンチを使い、試合を終えている。バッティングや揉み合いばかり、数少ないパンチがヒットする場面も両者オープンブローが目立った。東京五輪フライ級ベスト32の27歳、リベラは7勝3KO1分。29歳のコルドバは19勝12KO2分1ノーコンテストとした。なお同級のレギュラー王者は先日、日本で戴冠を果たしたリカルド・サンドバル(米)。
■不利予想のバルーがテレスに初黒星なすりつける
セミファイナルはWBA暫定S・ウェルター級タイトルマッチ。暫定チャンピオンのヨエニス・テレス(キューバ/153.8ポンド)が同級1位、アバス・バルー(ドイツ/153.4ポンド)に12回判定負けを喫し、王座が交代した。スコアは116-111、115-112、117-110の3-0。
今年3月ニューヨークでのデイビスvs.ローチのリングで暫定王座に就いたテレスのV1戦。欧州王者だったバルーは14ヵ月ぶりのリング。巧みなマッチメイクで暫定王座を手にしたテレスにとって初めて旬と言える実力者との対戦ながら、オッズは10-1と大きくテレス有利と出ていた。サウスポーのテレスに対して積極的に仕掛けるバルーが手数で初回のポイントを取ると、2ラウンドもサウスポーを苦にせずコンパクトなパンチで攻めかかる。テレスは3ラウンドにオーソドックスにスイッチ、ペースの打開を図るが、バルーの前進は止まらない。
テレスがスイッチを繰り返しながら対抗するもののロープを背にする時間は減らず、有効打数でもバルー優勢のまま試合は終盤へ。8回、9回とバルーの左フックをアゴに浴びて体を揺らしたテレスは10回、懸命に手数を出し反撃を試みる。しかし最終回、バルーは懸命に前進し、小さいパンチを出し続け、終了間際にはテレスが力尽きたように赤コーナー前で尻もち。ダメ押しとも映るダウンを喫し、立ち上がったところでゴングが鳴った。
正規チャンピオンにテレンス・クロフォード(米)が在位するなか、暫定王座の獲得を果たした30歳のバルーは17勝9KO1敗。これが米国2戦目だった。リングに上がったWBO・S・ウェルター級王者ザンダー・ザヤスの祝福を受け、両者はフェイスオフし対戦ムードを高めた。一方、25歳のテレスは10勝7KO1敗。同会場は6戦目の完全ホームだったが完敗だった。
■バーディが元王者グティエレス下しWBAライト級挑戦者に
WBAライト級挑戦者決定戦は同級5位のルーカス・バーディ(カナダ/134.8ポンド)が同級8位の元WBA・S・フェザー級王者、ロジャー・グティエレス(ベネズエラ/135ポンド)に12回判定勝利を収めた(116-111、117-110、115-112)。
グティエレスがじりじりと歩を進め、バーディは上下に打ち分けながら距離を取る。探り合いはシーソーゲームとなり中盤6ラウンド終了間際、グティエレスが踏み込んだところへバーディの右ストレートがクリーンヒット。グティエレスが膝をつくダウンを喫した。
7ラウンドはグティエレスの一発を警戒してか、バーディも勝負を急がず慎重にポイントを稼ぐ。終盤はバーディが慎重な戦いぶりを見せる一方でグティエレスも徐々に回復し、9ラウンドは得意の右ストレートを当てポイントを取り返した。その後もバーディはポイント優勢と計算しているのかペースを上げず、グティエレスも明確な反撃をアピールできず。31歳のバーディは20戦全勝16KO。指名挑戦権を獲得したもののレギュラー王者ジェルボンテ・デイビス(米)と統一戦を行う機会はあるのか? 一方、30歳のグティエレスは29勝22KO7敗1分。
WBA女子世界ライト級タイトルマッチは王者のステファニー・ハン(米/134.6ポンド)がパウリナ・アンヘル(コロンビア/134.2ポンド)に10回判定勝ちし、王座を防衛した。スコアは98-91が3者。初回に右を食いダウンを喫した王者は偶然のッティングで4ラウンドに左眉上をカットしたものの勝利。34歳のハンは11戦全勝3KO。敗れた24歳のアンヘルは7勝3KO2敗2分。
WBA女子世界S・フライ級タイトルマッチは王者のジャスミン・アルティガ(米/114.2ポンド)がリン・サンドストロム(豪州/114.6ポンド)を3ラウンド1分1秒TKOに下し王座防衛。33歳のアルティガは14勝7KO1分。こちらも33歳のサンドストロムは10勝2KO4敗3分。
スーパーライト級10回戦はIBF8位のジャーメイン・オルティス(米/143.6ポンド)がアンビオリクス・バウティスタ(ドミニカ共/138.8ポンド)に3ラウンド1分32秒TKO勝ち。当初はWBC10位のスティーブ・クラゲット(カナダ)戦が発表されていたオルティスだったが、トレーニング中の負傷によりクラゲットが離脱していた。WBAとWBOで10位、WBCでも11位と4団体すべてで世界ランクを持つ29歳のオルティスは20勝10KO2敗1分。苦い米国デビュー戦となった33歳のバウティスタは19勝11KO3敗。
