「いい試合だった」王者井上拓真一夜明けて

 前夜、那須川天心(帝拳)を文句なしの判定で破り、堂々王座(WBC世界バンタム級)に返り咲いた井上拓真(大橋)が25日、所属ジムで開かれた会見であらためて喜びを語った。

 若干の擦り傷はあるものの、防御面でも卓越していたことを証明する顔で会見に臨んだ井上は、「とにかく天心選手という強敵に勝てたことが嬉しい」と安堵の表情。今朝のテレビ番組に出演したため、前夜は一睡もしていないというが、疲労をにおわせることなく晴れ晴れとした様子だ。

 前日は、食事をとりながら家族で試合映像を見直したそうで、「いい試合だった」と全員でしみじみと振り返ったという。

 普段はなかなかお褒めの言葉をかけない父・真吾トレーナーも「勇気をもって、気持ちを出して戦ってくれた。決して下がることなく、みなさんも初めて見るような攻撃的なボクシングをしてくれた。感動しました」と相好を崩す。これを隣で聞いていた拓真は、その言葉一つひとつを噛みしめるように頷いていた。

 これまでの会見でも語っていた通り、練習は一切の妥協なく極限を超えたもので、「自分は天心選手と戦うというモチベーションの高さでこれを乗り越えたけれど、ナオはこれをずっとやってきている。あらためて凄いと感じた」と兄・尚弥の偉大さを痛感したという。

 大橋秀行会長によれば、「WBCから指名試合を言われればそれに従うが、堤選手やバンタムに上げてくる井岡選手など、いろいろとおもしろい組み合わせもある」と今後の構想はいくつもある。現在1位は元世界2階級制覇者のファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)で、“ライバル”堤聖也(角海老宝石)は来月17日にノニト・ドネア(比国)との防衛戦を控え、“レジェンド”井岡一翔(志成)は5階級制覇を賭けて、バンタム級進出を宣言している。これを聞いた井上は、「昨日のように盛り上がる試合をしたい」と早くも拳を握りしめた。

モバイルバージョンを終了
タイトルとURLをコピーしました