現地時間6日、米テキサス州サンアントニオのフロスト・バンク・センターでWBC暫定スーパーライト級タイトルマッチが行われ、暫定チャンピオンのイサック・クルス(メキシコ/138.6ポンド)がWBA世界スーパーフェザー級チャンピオンのラモント・ローチ(米/139.6ポンド)とフルラウンド戦った末ドローに終わった。スコアは113-113が2者に115-111(クルス)。
メキシコ系の多い会場から歓声を浴び、ガードを固めながら左右フックを振るクルスに対し、ジャブを突くローチが冷静に対処して初回を終えた。3ラウンド、クルスの飛び込むような左フックでバランスを崩したローチは体を回転させながら右グローブをキャンバスにタッチ。これをしっかり見極めていたジェームス・グリーン(米)レフェリーがダウンをコールした。
上を当てたいクルスはローチのボディーへパンチを集めるもののローブローも連発、注意を受けながら中盤に突入した。近い距離での攻防が続き、揉み合いも多くレフェリーが忙しい展開。7ラウンドには背中を殴ったとしてクルスに減点1が科された。故意のバッティングや肩でのカチ上げ、繰り返しのローブローなどダーティーなクルスはそこまでの有効打はない。ローチも細かいパンチで応戦しながら終盤3ラウンドは、攻めあぐねたクルスにジャブをヒットし、ピットブルをさばく展開でゴングを聞いている。
正規王者にスブリエル・マティアス(プエルトリコ)が在位する中、暫定王座の初防衛を辛くも果たした27歳のクルスは28勝18KO3敗2分。3月、ジェルボンテ・デイビス(米)を相手に分のいい引き分けを演じた30歳のローチは今回も涙を呑み、25勝10KO1敗3分。
■S・フェザー級王者フォスターがフルトンに明白勝ち
セミファイナルは茶番劇と言われてもおかしくない看板がかけられた一戦。WBCライト級暫定王座決定戦は、当初WBC世界スーパーフェザー級王座の防衛戦を行うはずのオシャキー・フォスター(米/130ポンド)と、公式計量でスーパーフェザー級リミットを2ポンド超過し失格となったWBC世界フェザー級チャンピオンのスティーブン・フルトン(米/132ポンド)が対戦。結果は12回判定でフォスターが勝利をおさめた(3対0/119-109、118-110、117-111)。
初回は様子を探り、お互いに手数の少ない静かな展開。2ラウンド以降、体格でひと回り小さいフルトンがジャブを突きながら右を上下に散らしていくが、王者は持ち前のハンドスピードを生かし、フルトンを巧みにさばいていく。
パンチの豊富さでフォスターが優勢のままラウンドは進行した。フォスターは時折スイッチを混ぜ、フルトンに対しレッスンを付けるようにワンサイドのまま終盤へ。頑張りを続けるフルトンだが、鼻血を出しながら劣勢から抜け出せずフルラウンドを戦い終えた。
今回の暫定王座承認についてはPBCとの癒着を含め多くのメディアから批判を受けているWBCだが、フルトンのフェザー級王座ははく奪となるのか注目されるとともに、同じリングのミドル級ヘスス・ラモス(米)と合わせてフォスターで10人目となる現役暫定王者を認定している運営面にも引き続き非難の目が注がれそう。
32歳のフォスターは24勝12KO3敗。正規王者のシャクール・スティーブンソン(米)と統一戦を行う機会は訪れる? 一方、計量失格のうえ完敗を喫した31歳のフルトンは23勝8KO2敗。
■統一戦流れたララ、代役に判定勝ち
WBA世界ミドル級タイトルマッチはチャンピオンのエリスランディ・ララ(キューバ=米/159.6ポンド)がWBAスーパーウェルター級12位のジョアン・ゴンサレス(ベネズエラ/158.6ポンド)に12回判定勝利。王座を防衛した。スコアは118-108、119-107、120-106の3-0。
当初、ララとIBF&WBO世界ミドル級統一チャンピオン、ジャニベク・アリムハヌリ(カザフスタン)による3団体統一戦がアナウンスされていたが、アリムハヌリがVADAによるドーピング検査で陽性となり離脱。代役ゴンサレスが承認された一戦だった。
試合は開始2分過ぎにサウスポー王者の左を浴びたゴンサレスが尻もちをついてダウン。2ラウンドに入り、ゴンサレスは態勢を低くしながらプレッシャーを掛け反撃を試みるも、ララの長い距離を潰すことができない。早くも距離を支配した感のあるララの安全運転に対して3ラウンドにはブーイングが聞こえ始めた。
一部観客の不安通り、その後はララがジャブ、ワンツーで挑戦者をさばく展開となった。ララもギアを上げて詰めにいくことはせずラウンドが進行し、最終回残り20秒で左ストレートを浴びせてゴンサレスを後退させ、追撃でゴロンと2度目のダウンを奪った。これが最後の見せ場だった。
約15ヵ月ぶりの試合だった42歳のララは32勝19KO3敗3分とし、4度目の防衛に成功。今回のララはシューズだけでなくグローブも左が白、右は赤で試合を行っていた。敗れた34歳のゴンサレスは36勝34KO5敗。
■ラモスがWBC暫定ミドル級タイトルを獲得
正規王座にカルロス・アダメス(ドミニカ共和国)が在位する中で承認された、WBCミドル級暫定王座決定戦は同級4位のヘスス・ラモス(米/159.8ポンド)と同級5位シェーン・モズリーJr(米/159.6ポンド)の間で行われ、12回判定でラモスが新王者となった(3-0/117-111×2、116-112)。
石橋を叩きながらのマッチメイクで世界ランクを上げてきた選手同士の対戦。初回にいきなりの右を当てたモズリーだったが、ディフェンスで勝るサウスポーのラモスがじりじりと流れを引き寄せ、3ラウンドに右フックでモズリーの膝を揺らす。
5ラウンド終盤にも右フックを好打したモズリーだったが、ジャブを置く癖を突かれ、開いたところへラモスの右が上下にコツコツと入る。これまでKO負けのないモズリーはワンツー主体に頑張りを見せて試合は終盤へ。10ラウンド以降は反応の鈍ったモズリーにラモスのパンチがたびたびヒットするものの、アゴの強さを証明してゴング。ハッキリと両者の明暗が分かれた。24歳のラモスは24勝19KO1敗。約17ヵ月間も試合をしていなかったにも関わらず上位に在位し続ける34歳のモズリーは22勝12KO5敗。
WBA米大陸スーパーライト級王座決定戦は復帰戦同士の対戦。フランク・マーティン(米/139.4ポンド)対元2階級制覇王者、ランセス・バルテレミー(キューバ/139.8ポンド)は4ラウンド2分56秒KOでマーティンがベルトを手にした。昨年6月にジェルボンテ・デイビス(米)に8回KO負けを喫して以来の試合で、最後は見事な左ストレートを見せた30歳のマーティンは19勝13KO1敗。一方、昨年4月、元世界王者のホセ・カルロス・ラミレス(米)に12回判定負けを喫して以来の試合で敗れた39歳のバルテレミーは30勝15KO4敗1分。


