現地時間7日、英国のマージーサイド州リバプールにあるエコー・アリーナにてクイーンズベリー・プロモーションズ主催興行が行われ、WBA世界フェザー級タイトルマッチではチャンピオンのニック・ボール(英国/125.1ポンド)がWBA1位の元2階級制覇王者、ブランドン・フィゲロア(米国/125.1ポンド)に12回32秒TKO負け。王座が交代した。

開始直後に左アッパーをねじ込んだ王者ボールは飛び込むようにパンチを叩き込もうとするが、スイッチヒッターで手数の多いフィゲロアも柔軟な体躯を駆使し前に出ようとする。距離を詰めようとするボールとフィゲロアによる揉み合いも多く、終盤はフィゲロアお約束の展開になりそうな予感もするなか、有効打数で王者優勢の印象で試合は中盤へ。
フィゲロアのコツコツ連打を巧みに外すボールは7ラウンド終盤に鼻血を出す。フィゲロアが細かいパンチを数発当て、パワーで勝るボールが一発で流れを戻し、再びフィゲロアが前に出る――という展開で迎えた最終回開始直後、フィゲロアの左フックがモロにカウンターとなって王者のアゴにヒット。ボールが前のめりにダウンした。
深いダメージを見せるボールはよろめきながら立ちあがり、スティーブ・グレイ(英国)レフェリーはカウント8で再開した。しかしフラつく王者に対しフィゲロアがロープに押し込み連打を浴びせると、ボールは力なく倒れこみ2度目のダウン。レフェリーはカウントを数えだしたもののダメージを考慮して途中で両手を交差した。
「最終回は倒さなきゃ勝てないと理解していた」と語った29歳のフィゲロアは27勝20KO2敗1分。昨年2月に失ったWBCフェザー級王座から団体をかえて返り咲きに成功した。一方、28歳のボールは23勝13KO1敗1分とし、同王座4度目の防衛に失敗した。
■ターナーが3回終了TKO勝ち
セミファイナルのWBAインターナショナル・スーパーフライ級タイトルマッチはチャンピオンでWBA8位のジャック・ターナー(英国/114.1ポンド)がファン・カルロス・マルティネス・ウルビナ(ニカラグア/114.1ポンド)に3回終了時点で棄権に追い込んでTKO勝ち。王座防衛に成功した。
開始早々、ターナーが左右フックを低く打ち、ジョン・レイサム(英国)レフェリーが休憩を入れた。ターナーが手数で初回のポイントをあげると思われた終了間際、左フックをアゴに打ち込んでウルビナをダウンさせる。2ラウンドに入るとダメージが残っているのかウルビナはクリンチを多用、レフェリーから注意を受ける。
3ラウンド、ターナーのプレスにサークリングとクリンチばかりが目立つウルビナは再び注意を受け、とうとう終了間際にホールディングで減点1。するとインターバル中に気持ちが折れたか、あっさりウルビナが棄権し試合終了となっている。24歳のターナーは14戦全勝13KO、26歳のマルティネスは10勝4KO4敗1分。
■ケインが逆転で挑戦者決定戦制す
WBCバンタム級挑戦者決定戦はWBC同級シルバー王者のアンドリュー・ケイン(英国/117.1ポンド)がWBC4位アレハンドロ・ジャイル・ゴンサレス(メキシコ/117.7ポンド)に逆転の9ラウンド1分22秒TKO勝利。
リング・アナが「Final Eliminator」とコールした一戦。すばしっこい動きから“Conejo(うさぎ)”の愛称を持つゴンサレスのベルト部分に“コネホ”と片仮名で大きくプリントされているのが目を引く。ガッチリ体形のケインがL字ガードからスピードに乗ったジャブを突き、ゴンサレスはポジションを絶えず変えながらケインの隙をうかがう。
激しいペース争いは中盤に入っても続き、6ラウンドあたりからケインがスイッチを混ぜる。一方ゴンサレスも右フックを返す。現地解説の元2階級制覇王者、カール・フランプトン(英国)も57-57と採点して折り返した試合は8ラウンド、一気に動いた。ゴンサレスがパワーパンチをボディーに集め、ケインはコンパクトなパンチを上に返すなか、迎えた2分過ぎ、ゴンサレスの右ボディーでケインは我慢できず自ら腰を落としてダウン。再開に応じたケインだがロープ際でゴンサレスの右ボディーを浴びて再びダウン。前傾姿勢になりながら何とかゴングに逃げ込んだ。
ゴンサレスのKO勝利目前と見えた9ラウンド、ゴンサレスが左ボディーフックを打とうとしたところへ今度はケインが左フックをアゴに好打、ゴンサレスが尻もちをついてダウンした。立ち上がったゴンサレスのダメージも甚大。逆転を狙うケインはコンパクトなパンチで追い込み、赤コーナー前で右フックをヒットしてゴンサレスを再びダウンさせた。苦しそうな表情を見せながら立ち上がったゴンサレスは戦意を見せず、リング内を数歩歩いたところでレフェリーはカウント途中で両手を交差した。逆転劇に会場から大歓声があがった。
WBO5位、WBAでも15位にランクされる29歳のケインは15勝13KO1敗。一方、那須川天心のビクトル・サンティリャン戦前にスパーリングパートナーとして来日した経験も持つ元WBC同級シルバー王者、26歳のゴンサレスは19勝11KO7敗3分。アウェーでの勝利目前で痛恨の黒星となった。

