4月19日にキルギス共和国ビシュケクでWBA・S・フライ級暫定王座に挑戦する同級11位の佐野遥渉(LUSH)が26日、名古屋市内の緑ジムでメディアに練習を公開した。現役のIBF世界フライ級王者矢吹正道(緑)を相手に4ラウンド、さらにメキシコから招いたサルバトーレ・ファレスを相手に8ラウンドの計12ラウンドのスパーリングをこなした。

矢吹㊧の胸を借りた佐野
矢吹はまだ本格的なスパーを行う前の段階だが、弟分のように親しい佐野に頼まれパートナーを引き受けた。これまで何度も手合わせしているとはいえ、馴れ合いはない。後で佐野は「一番怖いスパー相手。誰よりも緊張する」と言っていたが、その緊張感が伝わってくるような矢吹との4ラウンドだった。
2年前に初めてスパーした時は矢吹が圧倒したが、この日はどちらかが一方的になる場面はない。互いによく手を出すが守りもいい両者だけにクリーンヒットにならない。最終4ラウンドになると矢吹もさらにギアを上げて激しく手を出し佐野に迫ったが、佐野も強いプレスによく耐えた。矢吹がピークにはほど遠いとはいえ、佐野がほぼ互角に4回をこなしたのは自信になったに違いない。
佐野は矢吹との4ラウンドで心身ともに疲労し、続いてファレスとの8ラウンドのスパーは「集中力が切れてよくなかった」と認めた。それでも「最後の12ラウンド目を取れたのはよかった」と、岡田隆志LUSHジムマネジャー&トレーナーは合格点を出した。
キルギスでは暫定王者ダビ・ヒメネス(コスタリカ)に挑む。日本国内では正当な理由のないWBA暫定戦は認められていないが、「これに勝てば、僕のボクシング人生のスタートになる。世界最強といわれる“バム”に挑戦したり、静岡に強い人がいるので、そういう人たちとも戦いたい」と佐野は前向きだ。“バム”とは世界3団体統一王者のジェシー・ロドリゲス(米国)の愛称。「静岡の強い人」とは佐野の憧れでもある坪井智也(帝拳)のこと。静岡出身の世界王者第一号を争う仲でもある。
佐野へのアドバイスを求められた矢吹は、「(佐野が)うまくポイントを取りながら距離を保てるか」「難しい試合になる。ヒメネスはガンガン来るイメージ。ああいう選手との世界戦はいつもの倍疲れると思ってやったほうがいい」と語っていた。


