1966年に静岡県清水市（現静岡市清水区）で一家4人を殺害したとして強盗殺人罪などで死刑判決が確定した元プロボクサーの死刑囚、袴田巌さん（78）の第2次再審請求審で、静岡地裁（村山浩昭裁判長）は27日午前、再審開始を認める決定をした。逮捕から実に48年にして裁判のやり直しが認められた。

　決定は死刑判決の決め手となった犯行着衣について「捜査機関にねつ造された疑いがある」と認定。刑と拘置の執行停止も決定し、釈放を求めた。この決定に対し検察側がどう出るかで今後の展開は変わってくるため、袴田さんがすぐに釈放されるかは不透明だが、弁護側の要求が全面的に認められた決定となった。

　これを受けて日本プロボクシング協会は声明を発表。再審開始に喜びを表すと同時に、検察が再審開始決定に対して即時抗告をしないこと、袴田さんを釈放することなどを強く求めた。