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矢吹正道×寺地拳四朗ダイレクトリマッチ展望 それぞれの「自信と勝算」

2022年3月18日 17時30分

 昨年の年間最高試合に選ばれた一戦のダイレクトリマッチはいよいよあす――WBC世界L・フライ級王者矢吹正道(緑)-前王者寺地拳四朗(BMB)。矢吹にとっては初防衛戦であり、寺地にとってはリベンジ戦である。 =ボクシング・ビート4月号より=

 矢吹が寺地を返り討ちにするか、それとも寺地が返り咲きを果たすのか? 注目の再戦は間もなくゴングだ。

 勝つに越したことはないが、勝負の世界だけに負けることもある。そんなとき、自分を負かした相手と再戦してリベンジを果たすのもボクシングのだいご味。ましてや世界戦で王座を追われた前チャンピオンが、自分を負かした同じ相手と再戦して勝利し、再び世界のベルトを巻く――こんな悦楽を味わうことができたら最高だろう。

 寺地が挑もうとしているのはまさにこのシチュエーションである。しかし、これがなかなかの難事であるのは、これまでの数字でも明らかである。一度敗れて王座を失った後、その相手に挑戦して雪辱を遂げ、王座にカムバックしたのは、国内では過去にわずか3人(4例)しかいないのだ。

 寺地本人は「気にしていないです」とケロリとしている。「初めて負けましたが、僕の中では負けた試合とは思っていない。4ラウンドまでのポイントをとってもらってなかったので、手数を増やして、いつも通りの戦いをすれば絶対に勝てる。すぐに対戦できるのは運があると思っています」と、相変わらずイージーゴーイング。童顔に似ず気が強い寺地だ。

 「今度もハードな試合になると思います」というのは父親の寺地永会長だ。「これまではテクニックを前面に出した試合をしてきましたが、今度はリベンジの気持ちが強いので、ハートで戦うことになるでしょう。やはり勝負は後半ですね」

 前回の死闘の再現は覚悟の上か。では寺地との再戦に応じる新チャンピオンはどう戦うつもりなのか。

 初防衛戦は苦戦するという「新チャンピオンのジンクス」は影響しないだろうか。挑む側からタイトルを守る側にチェンジして慣れないこともあり、多くのチャンピオンが、壁のようなジンクスと格闘してきた。

 矢吹はこのジンクスについて「気にしません」と言い、こう続ける。「初防衛戦だからとかじゃなくて、初防衛の相手が指名挑戦者とかで強いか弱いか、ただそれだけのことだと思います」と矢吹なりに答えをみつけている。

 「寺地選手は総合力が高い。チャレンジャー精神で行きます」。相手の寺地がどんな戦法でくるかについては、「全体的に少し変えてくると思います」と言っていた。

 前号でも口にしていたが、矢吹は前戦と同じように戦うと言っている。バッティングが一部で批判を招いたが、といって故意ではない、闘争心の発露の結果がああなったということなのだ。そもそも「因縁の再戦」と言われるものの、矢吹にしてみればその通りには受け入れがたい。

 「特にどうとも思っていない。こちらからすると因縁でもないし、注目度が上がるかどうかも気にしてはいない」と、マイペースを貫いているのだ。…

 前回と立場を入れ替えて激突する両雄。あすの試合はどうなる――展望記事全文は、発売中のボクシング・ビート4月号に掲載しています。
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