27日、後楽園ホールの「ファイティング・ビー39」のセミで行われた注目の8回戦は元ランカーの矢代博斗(一力)が日本バンタム級7位金城隼平(RE:BOOT)に3回1分3秒TKO勝ちした。

金城を一撃で倒した矢代
矢代が昨年11月に2年3ヵ月ぶりに復帰したのに対し、金城も栗原慶太(一力)の逆転の一撃に泣いて以来の再起戦。サウスポー同士の試合は右リードブローの積極的な交戦でスタート。仕掛けの多いのは矢代だが、金城うまく右を合わせ続けて対抗。初回終了間際の金城は左をカウンターすると、2回はアッパーで使って矢代を後退させた。
矢代も負けていない。右フックや左オーバーハンドなど多彩な攻めで金城をプレス。そして迎えた3回、いきなりの右フックを炸裂させて金城をダウン。金城は立ち上がったものの岡庭主審がストップした。
見事な勝利で改めて戦線復帰をアピールした矢代は7戦全KO勝ち。「移籍して、(キャリアで)日本人と初めての試合。日本人と戦えることがうれしかった。僕の力を分かってもらえたかなと思います。(金城は)遠い距離が得意なので、近い距離で戦うために僕が前に出るしかないと思っていた」と、会心の試合を振り返った。日本王者は梅津奨利(三谷大和S)だが、「やってくれるならぜひ」と矢代は語っていた。金城は連敗となり、5勝2KO2敗。

メインでTKO勝ちの池田
■池田竜司が4連勝
メインのS・ライト級8回戦は、日本7位の池田竜司(一力)が寺田龍覇(白銀)に4回1分35秒TKO勝ちした。
サウスポーの寺田に対し、池田は右を上下に狙いつつ左フックも放つ。寺田もタイミングを取って打ち込んでくると、スリリングなパンチの交錯となった。池田はロープを背にしての迎撃も多かったが、4回のラストはまさにその場面。プレスをかける寺田をかわし打ち返した右フックでダウンを奪うと、レフェリー寺山はカウントを途中でやめて池田の勝利を告げた。
「一歩ずつ組まれた試合をクリアして、もちろんタイトルをやりたい。食い込めるように努力します」と池田は語った。これで4連勝となり、通算19勝12KO10敗5分。悔し涙の寺田は8勝4KO3敗3分。

惜別のテンカウントゴングを聞く斉藤
■斉藤司が有終の美を飾る
この日の第2試合では元日本ランカー斉藤司(一力=35歳)がラストファイトに臨み、40歳の山口拓也(ワールド日立)に3回1分52秒、連打でストップ勝ち。07年9月にデビューして7年のブランクを挟み通算29戦、24勝19KO4敗1分の戦績でグローブを壁につるした。
勝利するとホールの一角から「司コール」が沸き起こった。斉藤は全日本新人王、WBCユース王座などを獲得したリングの功績とは別に、日本のプロボクシングの旧態依然とした移籍に関する慣習が改まるきっかけとなった選手でもある。
引退セレモニーで斉藤は次のようにあいさつをした。「これからは人の役に立てる人間になりたい。小学校でボクシングを始めて変わることができた。令和の時代にも悩みを抱えた子どもたちはいっぱいいます。そんな子たちに僕が伝えられることを伝えていきたい。将来はボクシングジムをつくりたい。僕がボクシングに与えられたものを今度は与えたい」

斉藤㊨のラストファイトから
◇ライト級8回戦
榊野凱斗(角海老宝石)[判定3-0(78-73、78-73、78-73)]西畑直哉(竹原慎二&畑山隆則)
右ストレートをミスする西畑に榊野はボディーから崩しにかかった。その後右の直撃打も増え、4回はオープン気味の右でダウンを奪う。愚直な攻めの西畑に対し左ジャブも駆使して間合いを取っていたが、5回は西畑の強い右ストレートが榊野をとらえ、この回を境に攻守逆転。勢いづいて西畑は6回も右を何度もねじ込んでいく。しかし7回、今度は榊野が左フック、ワンツーで挽回して乗り切った。
日本ランキング復帰を濃厚にした榊野は4勝2KO2敗1分。西畑は10勝6KO3敗。
◇女子日本アトム級タイトルマッチ6回戦
モンブランみき(一力)[判定3-0(59-55、59-55、58-56)]坂本望愛(大成)
※モンブランは2度目の防衛
◇バンタム級4回戦
上田麟(伴流)[TKO2回2分2秒]西別府洋太(パンチアウト)


