前日本ライト級王者でＩＢＦ同級５位の三代大訓（横浜光）が現地時間14日、ニューヨーク・マジソンスクエアガーデンのザ・シアターで３位アンディ・クルス（キューバ）とのＩＢＦライト級挑戦者決定戦に出場する。ＩＢＦ王者はワシル・ロマチェンコ（ウクライナ）の引退により暫定王者から昇格したライムンド・ムラタラ（米）が君臨。１位と２位は空位になっている。

　東京五輪ライト級金メダリストで世界選手権３連覇の実績がある強敵クルス（５勝２ＫＯ無敗＝29）に挑む三代（17勝６ＫＯ１敗１分＝30）はすでに現地入りしている。「オリンピック金メダリストということで、僕もアマチュアでやっていたのでその凄さは身にしみてわかる。しんどい試合になると思うんですけど、こういうチャンスはなかなかないので」と三代。

　そして「警戒するところはたくさんある。でも自分の長所であるジャブをどんどん当てて行きたいし、試合展開を読んで自分が勝てる戦略に持ち込みたい。自分はこれまでも国内の試合で下馬評を何回も覆しているので、この試合も同様に覆して勝ちたい」と番狂わせを狙う。

　帯同する石井一太郎・横浜光ジム会長は「世界のボクシングファンに三代という名前を売るチャンスになる。相手は化け物ですけど、食らいついていってほしい」と期待を寄せる。

　一方、予想有利のクルスは五輪決勝で下し、プロでＷＢＯライト級王座に就いたキーション・デービス（米）が先週、体重オーバーで無冠になり、暴行事件を起こしたことに触れ「ボクシングにリスペクトを欠いている」と非難。そして「私はこの試合にすべて集中している。でもいつかデービスとどこかで対戦するかもしれない」とコメントしている。
　
　イベントのメインはＩＢＦ・Ｓ・ライト級王者リチャードソン・ヒッチンズ（米）が元ライト級３団体統一王者ジョージ・カンボソス（豪州）を相手に初防衛戦に臨む。