5日、大阪市・住吉区民センターで開催された『You Will be the Chanpion 24 The Middle』は全5試合がミドル級戦。そのメインイベントを飾ったOPBF東洋太平洋ミドル級王座決定&WBOアジアパシフィック・ミドル級タイトルマッチ10回戦は、日本&WBO-AP王者でOPBF1位の国本陸(六島)がOPBF2位・WBO-AP11位で韓国を拠点とするイエ・ヌリ(本名:エガンベルディ・ヌリディノフ=ウズベキスタン)に97ー92、94ー95、98ー91の2ー1判定勝ち。WBO—AP王座3度目の防衛に成功するとともにOPBF王座を獲得し、日本王座と合わせて3つのベルトを巻いた。
強いブロッキングと左ジャブでプレスをかけていく国本。イエ・ヌリは右オーバーハンドや左右アッパーでガードをこじ開けにかかるが、国本の腕と体は微動だにしない。イエ・ヌリは左ボディーを使って隙間を狙うものの、国本はヒジに当ててこれも威力を防いでいた。
3回、国本が右を強振してバランスを崩すと、イエ・ヌリはすかさず右をヒット。しかし、その後は右をコンパクトに打つ姿勢に戻り、右の相打ちに優った。
だが、国本のブロックの強さとリターン攻撃を把握したイエ・ヌリは、上体を前後に動かして国本の攻撃をかわしつつ、右アッパー。国本の右を外して左ボディーを決めるシーンもあった。イエ・ヌリは、国本の防御がブロッキング一辺倒であることを利用して、腕の上を叩いてリズムを作り、国本が攻撃に移るタイミングを待ち構えていた。そのため国本はなかなか手を出していけず、手数ではイエ・ヌリに大きく上回られてしまった。
しかし国本は、しっかりとイエ・ヌリの攻撃を遮断して、機を見て左ジャブ、右ストレート、左ボディーと基本中の基本の攻撃で押し戻す。これが結果的にスコアに反映された。
迎えた最終回。イエ・ヌリの左ジャブがカウンターとなると国本が尻もちをついてしまうダウンを喫する。ここぞとばかりにイエ・ヌリが右アッパー、左ボディーアッパーと攻め立てるが、国本も左ジャブと右ボディーアッパーで対抗し、終了のゴングを聞いた。
「負けててもおかしくない試合。首の皮一枚つながった。反省だけです。最後に倒されて悔しい。(イエ・ヌリは)やりづらかった。当たるパンチだけでいこうと切り替えた。『焦るな』とセコンドに言われ続けたことを守れた」と反省の言葉ばかりの国本。勝って課題が浮き彫りになったという面で、とてもよい経験になったはずだ。国本(28歳)は15勝8KO1敗。初黒星となったイエ・ヌリ(23歳)は8勝5KO1敗1分。
■荒本が酒井を下す
セミファイナルで行われたミドル級8回戦は、日本4位・OPBF5位・WBO-AP13位の荒本一成(帝拳)が日本2位の酒井幹生(角海老宝石)に3-0(78-74、78ー74、79ー73)判定勝利を収めた。
上体を小さく動かして、バランスよく丁寧に動く荒本は、右ショートストレートから左ボディーブロー。酒井は怯まずに左ジャブを連射して、力強い右を叩きつけていく。
接近すると互いにコンパクトな右アッパーをヒットさせるスリリングな雰囲気も、荒本はさらにシャープな右ストレートを追加して当てていった。
いつの間にか鼻血を流し、目の上の腫れも目立ち始めた酒井だが、決してジリ貧には陥っていかない。しかし、荒本は後半に入るとステップを使って距離を取り、左フックのカウンターや右ストレート、右アッパーを要所でヒット。必死に前に出て反撃する酒井をいなしてヒットを奪うボクシングの幅の広さを見せつけた。
荒本(25歳)は4勝1KO。酒井(32歳)は6勝5敗1分。
■ホープ川渕、デビュー3連続KO
ミドル級8回戦は、日本8位の川渕一統(ABC)がOPBF12位のワン・ダーツォン(中国)に6回1分43秒KO勝ち。同級のホープらしい高い技術を披露した。
ジャブとフェイントを使ってじりじりと詰めるサウスポーの川渕に、ワンはほとんど手を出せず。川渕は左ストレート、左ボディーアッパー、右ボディーフックをヒットした。
しかし2回に入るとワンも川渕の打ち終わりに右ストレートを合わせ、右を振りながら少しずつ前に出始める。
そんなワンに対し、川渕は左ボディーアッパーのカウンターを狙うが、ワンは上体を柔らかく使いながら2発3発と手を出していく。すると川渕はステップバックとスウェーバックでワンの攻撃を丁寧にかわし、カウンターを合わせていく。
6回、狙い続けていた左ボディーアッパーを決めてワンにヒザを着かせた川渕は、ボディーも混ぜた連打でふたたび倒す。なんとか立ち上がったワンだが、レフェリーがテンカウントを数えた。
川渕(20歳)は3勝3KO。ワン(27歳)は8勝1KO6敗1分。
ミドル級6回戦は日本6位の可兒栄樹(T&T)が大島光容(尼崎亀谷)に2回50秒TKO勝ちした。左右フックで外を意識させてストレートとアッパーで内を突く。大島がうまく先制攻撃を仕掛けたが、可兒は初回終了間際に右フックでダウンを奪い、2回にも右ストレートで倒して一気に連打。ダメージの見える大島をレフェリーが救った。
連敗を3でストップした可兒(24歳)は9勝7KO4敗3分。これで3連敗となった大島(35歳)は6勝3KO8敗1分。
日本ランカー同士によるミドル級6回戦は、7位の吉野健二(角海老宝石)と9位の時吉樹(横浜光)が引き分けた。スコアは1ー1(58-56時吉、58-56吉野、57ー57)。
左右フックを振りながら前進する吉野を時吉はワンツーを繰り出すなどストレートで迎え打つ。距離を詰めた吉野が左右アッパーに加え、左ボディーをヒットすれば、時吉は小さくサイドに回りつつ、左フックと右ストレートでボディ-を攻める。
バッティングで左目上をカットした吉野は、鼻血も流し始めるが、強弱と長短を織り交ぜた手数で時吉を圧し始める。しかし、時吉も右ストレートと左ボディーブローを返し、後半はともに右の相打ちを繰り返した。
吉野(24歳)は6勝3KO3敗2分。時吉(25歳)は5勝4KO1敗3分。
