10日(日本時間11日)、ドイツのオーバーハウゼンにあるルドルフ・ウェーバー・アレーナにてクイーンズベリー・プロモーションズ主催興行が開催され、メインのWBC暫定ヘビー級タイトルマッチは暫定王者のアギット・カバイェル(ドイツ/241ポンド)がWBC20位のダミアン・クニバ(ポーランド/257.9ポンド)に3ラウンドTKO勝利。初防衛を果たしたカバイェルはメジャータイトル挑戦を目指す。

アルスランベク・マフムドフ(ロシア)、フランク・サンチェス(キューバ)、張志磊(ヂャン・ヂレイ/中国)との世界ランカー3連戦をいずれもボディーでKOに下しているカバイェルにとって凱旋初防衛戦。アリーナはカバイェルを応援するクルド人ファンでソールドアウトだった。
上背で勝るクニバ(201センチ)がジャブを突いて距離を取ろうとするのに対し、カバイェルが強引に詰めていく。そこにクニバのコンパクトな右アッパーが当たり、初回からカバイェルが右マブタをカットした。しかし2回もカバイェルは右を強振してプレスを続行。
有効打こそ少ないもののカバイェルがパンチを出すだけで大歓声が起こるなか、3ラウンド序盤に王者の右フックがヒットしクニバがバランスを崩す。得意のボディーも効果を見せ始め、クニバはディフェンスに忙しくなり、流れが一気に王者に傾いた。
迎えた2分過ぎ、王者の右フックがヒットしクニバが大きくよろめいたところでマーク・ライソン(英国)レフェリーがやや早いストップをかけた。クニバは不満のジェスチャーを見せている。33歳のカバイェルは27戦全勝19KOとし、「ここドイツで(統一王者の)ウシクに挑戦したい」と野望を語った。現在はアメリカをホームとする29歳のクニバは17勝11KO1敗。
■劇的な逆転決着のヘビー級戦
セミファイナルのIBFインターナショナル・ヘビー級タイトルマッチはチャンピオンのグラニト・シャラ(ドイツ/255.5ポンド)が元世界ランカーのピーター・ミラス(クロアチア/239.6ポンド)に10ラウンドKO負け、王座交代となった。
初回から頻繁にスイッチし、軽快なフットワークを見せるミラスに対し、シャラは2ラウンド終盤に左フックをヒットし相手のバランスを崩す。中盤はジャブの巧さでミラス、パワーでシャラの競った展開。終盤に入ってもミラスのジャブが冴え、僅差で迎えた最終回はお互いにテンポアップする。
このラウンド序盤にミラスの右フックがヒットした。シャラも打ち返すものの、中盤、リング中央で熱のこもった打ち合いとなり、ここでミラスの右フックが側頭部に直撃。シャラがゴロンとダウンする。フラつきながらも再開に応じたシャラだったがミラスの追撃にロープ際で連打を浴び、ディフェンスもままならなくなる。ミラスはティモ・ハービホルスト(ドイツ)レフェリーに対し、「止めないのか?」とアピールしたほど。
しかし主審のストップはなく、最後はミラスが右を打ち込み、シャラは豪快に倒れこんだ。かなり深いダメージにもかかわらずレフェリーはカウントを数え、その間にセコンドがタオルを投げ入れるもこれに気付かずカウントアウトとなった。世界ランク返り咲きもありそうな30歳のミラスは20勝16KO1敗。ダメージが心配な29歳のシャラは18勝7KO2敗。
■WBCライト級に2人目の暫定王者
正規王者にシャクール・スティーブンソン(米国)、そしてスティーブン・フルトン(米国)をいわく付きの決定戦で破り暫定王座に就いたオシャキー・フォスター(米国)が在位する中、WBCライト級暫定王座決定戦が行われ、WBC1位のリカルド・ヌニェス(パナマ/134.4ポンド)がWBC3位のハディエル・エレラ(キューバ/134.2ポンド)に8ラウンドTKO負けで、エレラが「ライト級2人目の暫定王者」となった。
開始からシャープなジャブを突いて好スタートのスイッチヒッター、エレラ。だが2分過ぎにヌニェスの右で尻もちを付くダウン。硬さが取れて徐々に盛り返すエレラは6ラウンドに左右フックをヒットし逆転の兆しを見せるものの、ヌニェスも前進を繰り返しながらの攻勢で試合はシーソーゲームとなった。
迎えた8ラウンド、ヌニェスをロープ際に追い込んだエレラが右フックをアゴに見舞うとガクンと腰を落としたヌニェスはフラつきながら懸命にクリンチ。ヌニェスが防戦一方となったところでストップに入ろうとしたダニエル・ヴァン・デ・ヴィーレ(ベルギー)レフェリーが転倒するが、立ち上がってTKOを宣告した。エレラの逆転勝利だ。23歳のエレラは18戦全勝16KO、32歳のヌニェスは26勝22KO8敗。
この階級、フォスターは元来保持しているS・フェザー級王座をキープするとみられ、スティーブンソンは今月31日にWBO・S・ライト級王者テオフィモ・ロペスに挑戦する。その結果次第でエレラが正規王者にシフトする可能性もある。それにしても迷走ぶりにあきれる。
24年パリ五輪スーパーヘビー級銅メダリストで、ジェイク・ポールの「MVP」とプロモート契約を結ぶネルビー・ティアファック(ドイツ/257.1ポンド)がプロ3戦目となるヘビー級6回戦のリングに上がり、ピョートル・ツヴィク(ポーランド/276.9ポンド)を2ラウンドTKO。左ボディーからの連打でダウンを奪い、再開後の追撃でレフェリーストップとしたもの。27歳のティアファックは3戦全勝全KOとし、敗れた42歳のツヴィクは9勝8KO6敗。
ミドル級10回戦では19年エカテリンブルク世界選手権ミドル級金メダリスト、20年東京五輪でもミドル級銅メダリストに輝いたグレブ・バクシ(ロシア/158ポンド)がノンタイトル戦に出場、ファン・ホセ・ロドリゲス(メキシコ/159ポンド)を初回54秒TKOに下した。現在WBAインターコンチネンタル・ミドル級王座を持ち同級7位にランクされる30歳のバクシは7戦全勝5KOとし、敗れた28歳のロドリゲスは21勝19KO2敗。


