OPBFミニマム級王座決定戦が29日夜、後楽園ホールで行われ、同級4位でWBA15位にランクされる小浦翼(E&Jカシアス)が同級5位ジェイセヴェー・アブシード(比)に4回3分9秒KO勝ち。デビュー11連勝(8KO)で初めてタイトルを獲得した。この王座は京口紘人(ワタナベ)の世界挑戦に伴い、空位となっていた。
サウスポーのアブシードに対し、小浦は左ジャブでけん制しながら隙を探るスタート。攻め入った際の打ち終わりが危険なタイミングになり、特に相手の右フックは怖かったが、強気の小浦は3回に右ストレートでアブシードの動きを一瞬止めるなど優勢に試合を進めた。
デビュー11連勝、左ボディー打ちでフィニッシュ
フィナーレは4回に訪れた。このラウンドも小浦は右ストレートのダブルなどでアブシードに思うように距離を詰めさせない。それでも左ボディーストレートで踏み込んできたアブシードと接近戦になったと思った次の瞬間、小浦の左ボディー打ちがグサリ。アブシードたまらず倒れ、苦悶の表情で中村主審の10カウントを聞いた。
当初予定のリト・ダンテ(比)からアブシードに対戦相手が変更となった小浦だが、対サウスポーの苦手意識もさほど感じさせず、うれしいプロ初戴冠。「ベルト? まぁ重いですね。やっとここまで来ました」と感慨を語っていた。アブシードは14勝9KO7敗となった。
◇S・バンタム級8回戦
岡本ナオヤ(東拳)[判定2-1]相川学己(三迫)
元女子競輪選手、島野がTKO勝ちデビュー
◇女子S・フェザー級4回戦
島野りーみん(TEAM10COUNT)[TKO1回1分42秒]椙元慧(新日本カスガ)
元女子競輪選手の島野がデビュー戦勝利。競輪時代の仲間らが100人も応援にかけつけ「チョー緊張した」というが、鳥海純会長に教わったワンツーで攻めて初回ストップ勝ち。試合後は「競輪をやめてきたので、情けないところは見せられないと思った」と興奮気味に話した。鳥海会長は「S・バンタム級まで落とせる」と話、クラスを下げてチャンスを広げる考え。60キロ以下の体重は小学4年生以来だったという35歳は「まだまだこれから」と飛躍を誓った。