WBAスーパー･IBF世界バンタム級チャンピオンの井上尚弥（大橋）が2日、弟の拓真、従弟の浩樹とともにグアム合宿に出発した。井上は4月25日、米ラスベガスのマンダレイベイ・カジノ&リゾートでWBO同級王者ジョンリール・カシメロ（比）との3団体統一戦に臨む。

　井上が日本人初の3団体統一戦に向け、臨戦態勢のベルを鳴らす走り込み短期合宿に入る。2日、成田空港で取材に応じた井上はカシメロ戦について「ドネアより怖い相手」と語り、昨年11月のWBSS決勝で激闘を演じた元5階級制覇王者ノニト・ドネア（比）の上位にカシメロを位置付けた。

　その理由を井上は「ドネアはしっかりボクシングを組み立ててくるけど、カシメロは恐れずに突っ込んでくるし、何をしてくるかわからない。野性的な勘も持っている」と説明し、「乱打戦に巻き込まれないようにしたい」と要注意を強調した。18年にWBSS初戦で対戦したフアン・カルロス・パヤノ（ドミニカ共和国）の名前を挙げて「（カシメロと）似ているかもしれない」とも評した。

　警戒するWBO王者にしっかり勝利するための第一歩が今回のグアム合宿だ。全日練習は3～5日の3日間で、午前3時間、午後2時間で計20キロの長距離走、ダッシュ、フィジカルトレーニングもふんだんに入れたハードな内容。体力強化だけでなｋ、心にスイッチを入れるという狙いもある。

　父の真吾トレーナーは「カシメロは勢いのある選手だと思うけど、それをしっかり止められるのが尚弥だと思う。今回の合宿が終われば本格的なスパーリングに入るので、試行錯誤していきたい」とこちらも気持ちが入っていた。