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井岡一翔が「格が違う」と言い続けた理由 ビート3月号より

2021年2月16日 16時35分

 田中恒成(畑中)との日本人対決を見事な内容で制し、あらためてその上質なボクシングをアピールしたチャンピオン、井岡一翔(Ambition)。あれだけの試合だから内外で高く評価されるのも当然だが、戦前から自信満々だった井岡にしてみればかえって驚くほどだとか。=ボクシング・ビート3月号より=

 近年まれに見る名勝負となった試合からちょうど1ヵ月。左目の腫れは跡形もない。おしゃれなスーツに身をくるんだチャンピオンの姿に、あの一戦を思い起こさせるところはまったくと言っていいほどなかった。

――いや、すばらしい試合でしたね。
井岡 考えていたパフォーマンスを出せたな、有言実行というフレーズがしっくりきます。僕の中ではああいう結果になると思っていたからです。それを証明できてよかったという試合ですね。

――それにしても相手へのアジャストがいつもより早かった。田中の戦闘スタイルとの相性もありますか。
井岡 そうですねえ。オーソドックスだしビュンビュンとくるタイプはもともと得意ですね。何て言うんですか、自分からいろんな武器を見せてくれるわけです。開始10秒、20秒、1分の間に。武器を多く出してくれるほど僕は「ああこのタイミングか」とプログラミングできる。速さそのものに怖さはないですね。スピードはあっても、空気感が読める、距離感が読める、ならリターンが当たる……段々ハマっていきますね。

――アジャストするまでのやり取りで田中が上回るのでは、という予想もありましたが。
井岡 戦前のいろいろな予想を見て、それで感情的に動じることはまったくないんですが、いかに想像して僕が負けるというのかが本当に素直な疑問でした。どう考えても負けへんという自信があったのでね。そんなに想像以上にやりにくいのかなとも思いましたけどね。

 田中くんの右ストレートはよかったです。1ラウンド目のオープニングパンチとかね。ああ俺っぽいなと思いましたけども。あのタイミングで合わせに行く、もらってしまうのがね。でもあのおかげで修正ができるんですけどね。

――ミスだと認めたあの右ストレートですね。
井岡 たぶん彼は自分で決めてた動きだったと思います。駆け引きなしにオープニングでこれをやろうと決めていたパンチ。僕はその動く手を見て、(左フックで)回してと自分なりの微妙な駆け引きでやったんですが、考えて動くのと決めて動くのとでは、「やる」と決めて動くほうが速いですからね。あとストレートですしね。そこをミスったのと、3ラウンドにガードをずらそうと思ったところ、間から(田中の右が)目に入ってきたこと。

――左目はいつまで見えづらかったんですか。
井岡 最後までずっとぼやけてましたよ。

――試合の?
井岡 ええ。今後のために一応正月三が日が終わってから診てもらいました。何事もなかったんですが、もらった瞬間に眼球を支える筋肉が衝撃でビックリして、ギュッと痙攣みたいになっていたようです。インターバルでもずっと治らなかったんで、やばいなとは思いましたけどね。

 戦前から「格が違う」と言い続けた理由。自身のボクシング論、バンタム級もあり得る今後の展望etc. “井岡一翔の「This is Boxing」”インタビュー全文は発売中のボクシング・ビート3月号に掲載しています。→https://amzn.to/2MUM2Ss

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