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井上拓真がWBO王座挑戦、兄尚弥&八重樫とトリプル

2016年9月5日 17時31分

 大橋ジムは5日、横浜市内のジムで開いた記者会見で、20歳の新鋭、前OPBF・S・フライ級王者の井上拓真がWBO世界バンタム級王者マーロン・タパレス(フィリピン)に挑戦すると発表した。開催時期は12月下旬の予定で、当日は兄でWBO世界S・フライ級王者の井上尚弥、IBF世界L・フライ級王者の八重樫東を含め、トリプル世界タイトルマッチとなる見込み。

いよいよ兄弟で世界戦の舞台に立つ尚弥(左)と拓真

 拓真は前日の世界前哨戦で、WBC世界フライ級15位フローイラン・サルダール(フィリピン)のワンツーを食らい、初回にダウンを喫する大ピンチ。これをしのいで2回から盛り返すと、終盤に2度のダウンを奪って文句なしの判定勝ちを収めた。デビューからの連勝を8(2KO)に伸ばした拓真は「ダウンをして世界戦の前にいい経験が積めた」とサルダール戦を総括した。

 拓真が初めて世界戦のリングに上がる階級は、これまでのS・フライ級ではなくバンタム級。階級アップは不安材料にもなり得るが、本人は「今回53.0キロ契約で試合をして、今までのに比べて一番動きが良かった。バンタム級がちょうどいい階級だと思う。キャリア積めて、場馴れもして、タイミングもちょうどいい」と問題にしていない。

 王者タパレスは昨年12月、京都で行われたWBO挑戦者決定戦で当時ランク1位の大森将平(ウォズ)を初回から強打で倒して2回TKO勝ち。7月に敵地でプンルアン・ソーシンユー(タイ)を11回KOで下してベルトを巻いた。戦績は29勝12KO2敗。強打が売りのサウスポーで、WBC世界バンタム級王者の山中慎介(帝拳)のスパーリングパートナーを務めたことでも知られる。

 タパレスについて拓真は「けっこう振ってくる選手でパンチはありそう。でもスタイル的にはかみ合うと思う。ワクワクします」と強気の発言。これで兄弟世界王者に大手をかけた形となり「小さいころからの夢である兄弟チャンピオンになることを成し遂げたい」と力強く宣言した。

 弟の世界初挑戦に兄の尚弥は「(ダウンを挽回した)昨日の試合があるので安心といえば安心だし、不安といえば不安」と複雑な胸中を明かした。自ら2階級上げてベテラン王者オマール・ナルバエス(アルゼンチン)を撃破して2階級制覇を成し遂げた経験を持つが「ナルバエスはディフェンスの選手で倒される心配はなかったけど、タパレスはフィリピンのハードパンチャーで勢いがある」と先輩王者として弟に警戒を促した。

 もちろん弟を信用していないわけではないが、心臓に悪いのは確かだろう。「控え室のモニターを消したほうがいいかもしれない。とりあえず自分は自分の試合に集中します」と尚弥。弟の勝利を信じて試合の準備を進めるつもりだ。

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